GOT7 短編

□マンネ想い
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僕は、不安があると眠れなくなる時がある。
誰かが、側にいてくれると安心して眠れるのだが…。

そう言う時決まって僕は、ジニョンヒョンのところに行く。

「ジニョンヒョン?」

「う〜ん?」

「ジニョンヒョン?」

「どうした?」

「眠れないんだ。一緒に寝ても良い?」

「うん。おいで。」

ジニョンヒョンは、いつも快く受け入れてくれる。
僕は、ジニョンヒョンの横に入り一緒に寝てもらう。

「何かあったのか?」

「うん、何かって訳じゃ無いんだけど急に不安になっちゃって。」

「そう。」

「ごめんね。ジニョンヒョン。」

「いいよ。」

そう言うと、僕を抱きしめてくれた。
いつも、思うけど本当にジニョンヒョンは綺麗だな。

「う〜ん。」

ジニョンヒョンが、顔を上げて来た。
ふと、唇に目がいってしまった。

何故だろう?

ジニョンヒョンの唇に吸い寄せられそうになる。
僕は、無意識に唇に触れてしまった。

気持ちいいな。

そんな事を思い、我にかえる。
慌てて唇を離したが、もう一度触れたいと思ってしまった。
怒られるのはわかってる。
もう、一緒に寝てもらえなくなるかもしれない。
それでも、もう一度触れたい。
僕は、またジニョンヒョンの唇に触れた。
僕の頬が温かくなった。
唇を離し、その手に触れた。
ジニョンヒョン?

「お前、今何した?」

「えっ?」

「欲情するなら、出て行け。」

「ごめんなさい。」

「は〜ぁ、本当に欲情した?」

「う、うん。ジニョンヒョンの唇に触れたいと思った。」

「お前な…、今回だけだぞ。次は無いからな。」

「うん…。」

「で?どうだった?」

「えっ?」

「僕とキスして見て。」

「えっ、気持ち…良かった。」

「そう。ありがとう。」

「ジニョンヒョン!お願いしてもいい?」

「なに?」

「もうしないから、もう一度だけしても良い?」

「そんなに良かった?」

「うん。」

そう言うと、今度はジニョンヒョンからキスをしてくれた。
さっき、僕がしたのとは違う触れるだけじゃないキスを…。
僕は、ジニョンヒョンのキスに夢中になっていた。
やめてほしくない。
ずっと、していて欲しい。
そう思えるキスだった。
唇が離れジニョンヒョンが言った。

「ヒョンには、内緒だからな。」

「うん。」

「何が内緒なの?」

えっ?ジェボムヒョン?

「お前ら、何してんの?」

「ヒョンこそ、こんな時間にどうしたんですか?」

「俺が、先に聞いてるんだけど?」

ジニョンヒョンは、起き上がり僕を隠すようにベッドに腰掛けた。

「見てたんなら、聞く必要無いと思いますけど?」

「なっ!」

「キスしてました。これで、いい?」

「ジニョン!お前何考えてんだ!」

「何って。僕とのキスが気持ち良いって言ってくれたから。」

「だからって!」

「可愛いマンネが、そう言ってくれたら嬉しいでしょう。」

「可笑しいだろう?」

「自分だって、毎日ヨンジェ抱きしめて寝てるくせに。」

「それは…。」

「それは何?僕がいくらやめてって言ってもやめてくれないのに僕の時は怒るんですか?」

「それは、また違うだろう!」

「何が違うんですか?ヒョンだって、可愛いマンネだからって言うんでしょう?同じじゃないですか。」

「抱き合うのと、キスするのは違うだろう!」

珍しく、ジニョンヒョンがジェボムヒョンに言い返している。
ジニョンヒョンは、ジェボムヒョンに対してあまり反論する事はしない。
いつもは、冗談ぽく返事をしたりニコニコ笑っている。
僕は、そのやり取りに緊張した。



その後、ジェボムヒョンは部屋を出て行った。
ジニョンヒョンは、扉の方を見ながらため息をついていた。

「ジニョンヒョン?ごめんなさい。」

「なんで謝るの?」

「だって、僕が…。」

ジニョンヒョンは僕の横に戻り頭を撫でた。

「僕が、可愛いと思ってしたくてしたんだから謝る必要はないよ。」

「ジニョンヒョン?」

「変なとこ見せてごめんな。寝よう。」

そう言って、また僕を抱きしめてくれた。



翌朝、僕が目を覚ますとジニョンヒョンはいなかった。
目を擦りながらリビングに行くとジニョンヒョンとマークヒョンがコーヒーを飲みながらおしゃべりしてた。

「おはよう。」

「おはよう。早く顔洗っといで。」

「うん。」

リビングに戻るとヨンジェヒョンも起きてきていた。
テーブルには、朝ごはんが用意してあった。
僕は、それを食べながらジニョンヒョンを見た。

「どうした?」

「ううん、何でもない。」

僕とヨンジェヒョンは、着替えて学校へ行く準備をした。

「2人とも、忘れ物はない?」

「ジニョンヒョン、大丈夫だよ。」

「気を付けて。」

「ジニョンヒョン?」

僕の頭をポンポンとして、ジニョンヒョンは
優しく微笑んだ。

「大丈夫だよ。いってらっしゃい。」

「あっ、俺も行く。」

「マーク?もう出る時間?」

「ちょっと、行きたいところもあるから。」

「そう、いってらっしゃい。」

『いってきま〜す。』


学校へ向かう間、昨日の事を考えていた。
すると、ヨンジェヒョンが突然言い出した。

「ジェボムヒョンがおかしいんだ。」

「おかしい?」

「うん。今日は僕に抱きついて来なかった。」

「えっ?」

「いつも、やめて下さいって言ってもやめてくれないのにどうしたんだろう?」

「そうなんだ。」

僕は、昨日のジニョンヒョンとジェボムヒョンのやり取りを思い出していた。




3人が出掛けてしまい静かになったリビングで僕は、朝食の片付けをはじめた。
相変わらず、起きて来ないヒョンの分を残してソファーに座る。
ヒョンの部屋の扉を見ながら僕は、昨日の事をふと思い出した。
昨日は、言いすぎたかな?
でも、間違った事は言っていない。
僕だってわかってはいるつもりだ。
だけど、あんな風に言われたら言い返したくもなる。

でも、キスはやり過ぎだったかな?

そんな事を思っていると、突然ヒョンの部屋の扉が開いた。

僕は、慌てて目線をそらした。

「おはよ…。」

そっけない言い方。

「おはよう。」

僕も、同じように返してしまう。
ヒョンが、洗面所に行っている間にコーヒーを用意してまた、ソファーに戻った。
洗面所から出てきたヒョンは、用意してあった朝食を食べるため椅子に座った。

静かな空間。
部屋に戻ればよかったかな?
特に見るわけでもないテレビに目線をおく。
すると、食事をしていたヒョンが突然僕を呼んだ。

返事に困っていた僕に再度声を掛けた。

「ジニョン?」

「は…い…。」

僕は、ヒョンの前に座り俯いた。

「ジニョン?昨日の事だけど…。」

「なに?」

「ごめんな。」

思ってもみなかった言葉が返ってきた。
僕は、顔を上げてヒョンを見た。

「なんで?」

「いや、昨日言われた事を改めて考えたら正直ジニョンに悪い事してたなって思って。」

「本当にそう思ってます?」

「ああ。ジニョンがそういう風に思うのも無理ないかな?って。」

「ヒョン?」

「なぁ、まだ間に合うかな?」

「何がですか?」

「ジニョンの気持ちは俺にある?」

僕は、いてもたってもいられなくなりヒョンの隣に座り抱きついた。

「無くなる訳ないでしょう‼」

「良かった。」

「ヒョンのバカ!」

そう言ってすぐ、ヒョンにキスをした。
ヒョンは、僕を強く抱きしめてきた。
たまには、こうして言いたい事を言い合うのも良いのかもしれない。
そうしないと、お互いにわからない事もあるから。


僕が、片付けをしているとヒョンが近づいて来た。
後ろから抱きしめられ首筋を舐められる。

「ヒョン?」

「ジニョン?ダメ?」

「わかってるくせに、聞く?」

ヒョンは、僕の手を引き部屋に向かった。
部屋に入るや否やすぐに抱きしめられキスをされた。
それに、答えるように首に腕をまわす。
僕たちは、ベッドに横になり重なり合った。
ヒョンの温もりは心地良くて僕はさらにヒョンを引き寄せた。
僕たちは、ゆっくりと愛し合った。


…。

「なあ、ジニョン?なんでユギョムと一緒に寝てたんだ?」

「えっ?あの子不安があると寝れなくなるんですよ。」

「そうなのか?」

「えぇ、知りませんでした?」

「あぁ。」

「ただ、隣に人がいると安心して寝れるからってたまに来るんです。」

「えっ?昨日がはじめてじゃないのか?」

「はい。もう何回か一緒に寝てますよ。」

「お前、それはあんまり良くないだろう。」

「でも、キスをしたのは昨日がはじめてですけど。」

本当に、ジニョンはどこまでもあいつらのお母さんなんだな。

「でも、キスはやり過ぎだろう?」

「よくメンバー同士でふざけてするのに?」

「昨日のキスは、ふざけてしてるようには見えなかったけど?」

「マンネが可愛いかったからね。」

「マンネ思いもいいけど、俺の事も忘れるなよ。」

「お互いにね。」



僕たちが、宿舎に戻るとジニョンヒョンたちがソファーに並んで座っていた。
どうやら、仲直り出来たみたいだ。
僕は、ジニョンヒョンの側に行き隣に座った。

「どうした?」

「良かった。仲直りしてくれて。」

「別に、喧嘩してた訳じゃないよ。」

「本当に?」

「うん。ただ言いたい事を言っただけ。」

「ジェボムヒョン?」

「うん?」

「本当に?」

「ジニョンがそう言うならそうなんだろう。」

僕は、この2人の関係は普通じゃないと思った。
お互いに信頼し合っていて、深いところで繋がっているんだと思った。
すごくカッコいいと思った。
僕は、2人を益々好きになった。



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