GOT7 短編

□呪文
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「ジニョン!俺の事好き?」

「どうしたの?急に。」

「好き?」

「うん。好きだよ。」

俺はいつも確認する。
その都度、ジニョンは返事をしてくれる。
本当に好きで好きでしょうがない。
大好きなジニョン。

ジニョンが俺を好きなのはわかってるけど何度も何度も繰り返し聞きたくなる。


「俺の事好き?」と呪文のように…。


リビングで、ソファーに座り本を読んでいるジニョンの横に座る。
本に集中しているのか、俺の事に気付かない。
そんなジニョンの横顔を見続ける。
ふと、その視線が気になったのかジニョンが俺を見た。

「どうしたんですか?」

「うん?ジニョンの横顔綺麗だなって思って見てた。」

「横顔だけ?」

「えっ?」

ジニョンは、また本に集中し始めた。
俺は、またジニョンの横顔を見ていた。
ソファーに凭れ掛かり腕を淵に置いた。
俺の右側はジニョンが寄りかかっても平気なくらいのスペースはある。
そんな事を考えていると、フッと右側にぬくもりを感じた。
ジニョンが、寄りかかって来た。
俺は、嬉しくなってジニョンの肩を抱いた。

「ワザとでしょう。」

「なにが?」

「寄りかかれるようにしたの。」

「さぁ?」

「まぁ、いいけど。」

ジニョンは、ワザとそうしている事をわかっていても答えてくれる。
だから、大好きなんだ。

寄りかかりながらもまだ本を読んでいるジニョンの頬に手を触れる。
やっと来た。といんばかりに俺の方を見る。

「もっと早く素直なればいいのに。」

「そう言うジニョンだって。」

俺たちは唇を重ねた。

ジニョンが大好きな俺は、嫌われないようにと常に考えて行動してしまう。
だから、駆け引きなんて出来る訳がない。
だから、いつも聞いてしまう。

「俺の事好き?」と…。

俺から離れていかなようにするための呪文を、今日もまた繰り返す。●●



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