チキンはぁと何本勝負?

□チキンはぁと何本勝負? 32
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新月の夜だけの雨唄






物の見事に踊らされて居た3人は、気付けば仲良く並んで夜空を見上げて居た。

再び固く硬く閉ざされた、北門に寄り掛かり座り込みながら…――――――。。。


今宵は新月。

星々が1番、輝きを増す日だ。





(喧花)「なぁ…さっきからコンコン目に見えない粒らしき物が当たってんだけど、目に見えない雨なんてあんのか?」



(風鵺)「そんなん感じないケド。それより、歌が何も無い上空から流れて来るって、何て超常現象?」



(摩耶)「…言葉が1文字ずつ空から光ながら落ちて来てる。」



(喧花・風鵺・摩耶)「「「…まさか」」」





真ん中に居座る喧花を中心に、左右に座り込む風鵺と摩耶。

前にも似た様な事が在った。既視感。デジャヴ。


3人は黙って手を繋ぎ合った。

そうすると、バラバラになってたパズルのピースが全て当て嵌まり、1枚の絵になった様に、其の景色を体感する。


星々が煌々と輝く夜の下、ふわりふわりと光を発しながら1文字ずつ舞い降りて来ては地面に、又は身体や木々に当たっては消えて行く文字達。

そうして、其の文字達は歌詞の一部だと言う様に小さく、本当に極僅かに聞こえる程度に夜空の遥か彼方から響いて来る様な歌声達。まるで小さな合唱曲の様だ。





天空――――――止めてご覧

―――――のつつ――唄の聲



星―――耀き狂―――て居る

――玉に赤心を包―――――



数――まる

事―き――



に――え

――んと

有り――



あ――――ない光

れいれ―――――

ぬく――――る命

――――分らぬ―



運命――御子

――受けし狼



がじ―――朝の戦士

―――ゎの――戦士



――――うは―――暗――影

―れ―星―――封印――――



死――

――せ



まぼる――――――屑

呱―――をあげ続――



――墓標に―運―

涯の―――悲―を

――道――宿――



途方も無い―――――――か

――――御呪いの―――――



――――――事――く

捧――――らんが――



渡――

――花






(摩耶)「ふあぁあ〜+」



(喧花)「綺麗だなぁ〜♪」



(風鵺)「OH YES!」





幻想的でファンタジーな光景に思わず感嘆の言葉が口から飛び出す。

言葉はバラバラに落ちて来るし、唄は途切れ途切れにしか聞こえないし、歌詞の意味も分からない…けれど、素敵だと素直に3人は感動した。










And that's all
(それでおしまい…?)

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