雪に咲く花

□再会
2ページ/9ページ

「あんたが熱をだす前の日に担任の先生から電話があったの」
美紅の言葉に雪斗はどきっとする。
「あんた何日か学校にいってないそうね」
とうとうばれてしまったのだ。
ある残酷な出来事があってから学校に行けずにいた。
「電話受けたのはわたしだったからよかったけどお姉ちゃんたちだったら頭ごなしに叱られちゃうわよ。とにかく風邪をひいているって誤魔化しといたけどまさか本当に風邪引いちゃうとはね」
美紅が機転を聞かせてくれていたのだ。
「ごめん……。俺実は」
小さく呟いた雪斗に美紅が続けた。
「前から気になっていたんだけど、いじめを受けていたんじゃないの?」
姉の言葉に何も言えず、涙が溢れる。
「やっぱりそうなのね?」
涙を流して雪斗はうなづいた。
「最近、制服が汚れてたり、なくしもの多いし、それにこの前、偶然見ちゃったの……。体に痣があったのが」
美紅は兄弟の中では感が鋭い。
色々と分かっていたのだ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ