雪に咲く花

□再会
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「雪斗、入るわよ」
雪斗の部屋のドアがノックされた。
亘に助け出された次の日から、熱を出して寝込んでいたのだ。
雪の降る日に、薄い浴衣一枚で動き回っていたのだから無理もない。
「具合はどう?」
美紅がマグカップをトレーにのせて入ってきた。
3日ほどぐっすりと眠り、少しづつ熱も下がっていた。
「うん、腹減った」
体を起こして雪斗は言った。
「食欲がでたなら大丈夫ね。でも今夜はお粥で我慢よ」
「ちぇっ、あんなんじゃ腹にたまらないよ」
雪斗がふてくされると美紅が笑った。
「ああそう。メロンもらったから一緒につけてあげようと思ったのに」
「本当に!じゃあ、今日はお粥で我慢するよ」
「全く調子いいんだから」
美紅が雪斗の頭をこづいた。
「とにかく、お姉ちゃんがこれ飲みなさいって。喉にいいみたいよ」
美紅がマグカップを差し出した。
蜂蜜入りのレモネ―ドである。
「ところで雪斗実はね……」
飲んでいる雪斗に、美紅が迷っていたかのように声をかけた。
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