BOOK

□Best friend
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ナヨン「どうしたの?…ジヒョ?」

ジョンヨン 「…うん、背中、痛い」

ナヨン「…そっか、湿布くらいならある」




ナヨンはジョンヨンの手を引き
自分の部屋へと向かった。

ジョンヨンを寝かせ、
真っ赤に腫れた背中に湿布を貼る。




ジョンヨン 「ありがとう」


ナヨン「ううん、」



ナヨンがジョンヨンの頭を撫でる。




ジョンヨン 「…どうしたらいいんだろう、気持ちを理解してあげたいのに」


ナヨン「うん…」


ジョンヨン 「本当に、大切なのに…助けてあげたい…のに」


ナヨン「…ジヒョの気持ちは、ジヒョにしか分からないんだよ。それに、あんただって今人の心配してる場合じゃないでしょ」


ジョンヨン「オンニこそ」




ナヨン「…まあね」



はぁ、ナヨンは溜息をつく。
溢れて来る涙。


ジョンヨン「オンニ、泣かないで…」


ナヨン「…っ、じゃああんたも泣かないで」




2人は静かに部屋で泣いた。
すると隣の部屋から聞こえて来る、ミニョンの泣き声。



ナヨン「ないちゃだめ、ないちゃだめ」


ナヨンは明るく言い放った。
いや、自分に言い聞かせたのだ。


ジョンヨン 「うん、私たちが泣いてたらミニョンまで泣き出しちゃう」

ナヨン「今は皆辛いのよ…こんな時にジヒョがいてくれれば…」


思わず出る本音。
ジヒョがいれば。



ジョンヨン「…私たちは、ジヒョに頼りすぎていたのかも」

ナヨン「…うん、…そうだね」






この日の宿舎は誰もが眠れぬ夜となった。








数日後ーーー。









突然、ジニョンに集められたJYP練習生たち。ジヒョは久し振りの外出であった。



この日彼女達に言い渡されたのは、
新たなサバイバルオーディションに
参加してみないかとのことだった。


皆すぐに参加を希望したが、
ジヒョとジョンヨンはまだ答えを出せずにいた。


一旦宿舎に戻り、頭を抱える。







今更なんだと言うんだろう。
ジヒョは宿舎のリビングでテレビを見ながらぼーっと考えていた。

するとナヨンがとなりにやって来た。




ナヨン「ジヒョ、参加しないの?」


ジヒョ「…今はちょっと、オーディションとか、いいや」


ナヨン「いいやって、あんた歌手の夢諦めるつもりなの?」


ジヒョ「そういうことじゃないけど…なんか、私はセンスがないと思う」

ナヨン「ははっ、センスって。今更何よ?」

ジヒョ「…今すごく、ストレス溜まってて、新しいことに挑戦出来る気分でもない」

ナヨン「だから諦めるの?」

ジヒョ「諦めたわけじゃないって」



その瞬間、
ナヨンはジヒョの頬を思い切り叩いた。




ジヒョ「….??」


急な出来事に頭が追いつかない。




ナヨン「ジヒョや、あんたそれ、諦めてるのよ。早く目を覚ましなさいよ!」



ナヨンはジヒョの性格を知っている。負けず嫌いで、世話焼きで優しくて。強気見えて、意外と弱くて、たまにそんな自分を責めてしまう。
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