BOOK

□Peach
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お腹空いたな…


開かれたカーテンから差し込む眩しい日差しと空腹に目を覚ます。わずかに開いた目から、モモが視界に入る。こちらに気づいモモはにこっと笑って




モモ「おはよ」

ジョンヨン「ん…おはよ」




いつもの可愛い笑顔。
しかし、
起き上がると私の周りは一面モモの服。




…汚すぎる、




寝起きは最悪。






ジョンヨン「やー」

モモ「ん?」

ジョンヨン「服片付けて」

モモ「わかってるわかってる」

ジョンヨン 「今片付けて」

モモ「着る服決めてるからちょっと待って」

ジョンヨン「はあ…」





いくら恋人でも許せない。
部屋を汚す人。ごちゃごちゃになった服たちは下に落ちたりタンスからぶら下がったりして…不快感極まりない。




モモ「お、怒ってる?」



相当嫌そうな顔をしてたのか、
恐る恐る私の顔を覗き込むモモ。
だったら早く片付けてよ、と答えて、耐えられなくなった私はモモと服をたたみ始めた。




モモ「ごめん」




本当に申し訳なさそうなして
やっと服をたたみ出してくれる。


…あー、
違うって、それだと変な跡つく…



たたみ方にもこだわりがありすぎて、
面倒なのは私なのかな。





ジョンヨン「私がやるから」

モモ「…う、ごめん」

ジョンヨン「着る服は決まったの?」

モモ「んー、このワンピースがいいかな?」





ひらりと広げられたラベンダー色のワンピース。柔らかそうな生地でとても可愛らしい。





ジョンヨン「いいんじゃない」




口角をくっと上げながら嬉しそうなモモ。
なんだよ、そんな褒めてないのに。

こんなに汚くされて気分が悪いから、
言葉にして褒めてあげない。



…だいぶ可愛くてしんどいけどさ。





モモ「他のがいいかな」




困った顔で自身を鏡で見つめるモモを尻目に私は散らかった服をたたむ。


そんな困ってるモモも
私の頭の中は"可愛い"でいっぱい。


散らかった服を片付けてるっていうのに、
散らかされた本人を心の中で褒めちぎって。
空腹のせいもあって苛立ってる気持ちは
この人を見ると吹っ飛んでしまいそう。

私は相当モモに甘いんだと、自覚する。




モモ「これ好きなんやけどな、普通すぎ?」





ラベンダー色に身を包んでこちらを振り返る彼女に光が差し込んで、更に輝いて綺麗に見える。眩しくて、目を細める。



ジョンヨン「…可愛いよ」



仕方なくそう答えると、さっきの笑顔よりもっと嬉しそうに笑う。かと思えば、まだ納得が行かないのかすぐに服を脱ぎ捨てるモモ。


朝から忙しいなあ。
モモじゃなかったら本当に怒ってたかも。


そんなモモは脱いだ服の上に乗ってまたタンスを漁り始た。



ジョンヨン 「あーもう踏んじゃだめ!」




さっきのふわふわラベンダーのワンピースが台無しになっちゃう、私は急いで服をとってハンガーにかけた。


私が慌ててもモモの頭にはハテナマークが見える。ああもう本当に世話が焼ける。





モモ「それかこのトップスにこのスカート合わせんのは?」




私の思いなんて知らず呑気に服を選ぶモモ。
ずるいな、いちいち可愛くてドキドキすんのに。

モモが見せてきた桃色の透けそうなトップスなんて、似合わないわけない絶対可愛い。





ジョンヨン「どこに行くつもりなの?」

モモ「え、ジョンヨナと出掛けるから」

ジョンヨン「…夜ご飯いくって約束したやつ?」

モモ「うん」





こんな朝から決めなくても…。





早速着替えたモモはまた私の方を向いて、
可愛い?なんて当たり前のこと聞いてくる。

可愛いって言って欲しいなんていう表情ではなくて、心配してこれで大丈夫かなっていう不安そうな顔。


なんでそれが似合わないなんて思うのか。



黙って見惚れていると、
だめだったかな、と呟いて服を脱ぎ始めるモモ。


私はその手を引っ張って唇を押し付けた。




モモ「、ん…」



黙って舌を入れて深くキスをする。
驚いてピクっと肩を震わせるも、すぐに受け入れてくれる優しい舌。




モモ「ちょ、服選ばな…」

ジョンヨン「なんだっていいよ」

モモ「んっ…」




あーもう朝から興奮させないで。

ぬるぬるとした生暖かい感触が
ぎこちなく私の舌を舐めとって飲み込む。

追えば追われて、
必ず返してくれるモモ。

キスの合間に溢れる熱い吐息に、
熱が出そうだ。

脱ぎ途中の服から見える胸の膨らみが
目に入って、私は目を瞑った。
止まらなくなりそう。




ジョンヨン「は…っ」



私はモモの味を堪能して、
ゆっくり離れた。

2人の間を引く銀色の糸が消えて行く。




モモ「ん…な、急になにすんの…」




モモの頬は桃色のトップのおかげで
濃いピンク色、熟れた桃のよう。




ジョンヨン「全部似合うから」

モモ「へっ」

ジョンヨン「似合うから、もう朝から心臓に悪いことしないで」

モモ「心臓に悪いて…」





私はにっと笑ってモモの頭を優しく撫でた。



ジョンヨン「もう早く服着て」

モモ「え、このトップスで良いん?」

ジョンヨン「なんでもいいって」

モモ「…わかった、」




そう言いながらボタンを閉めようとする。
まだ候補があったのか腑に落ちない表情。

もたもたして早く着替えてくれないモモ。




あーも、早く着替えてくんないかな、
モモの身体を見ておかしくなりそうだなんて、恥ずかしいし本当に理性がぶっ飛びそうで。





やっとボタンを全部閉めたモモを見ると、




あ、ボタンを1つ掛け違えてる…





抑えていたものがふつふつと湧き上がる感覚がした。




モモ「よし、朝ごはんたべよか」

ジョンヨン 「待って」

モモ「え?」





この天然。ばか。可愛いんだよ。






ジョンヨン「もう知らないから」




私は折角着替えたモモの服を脱がせながら、
首筋にキスを落とした。


なんでどうしたのって抵抗してくる手を掴んで壁に押し付ける。自分の可愛いとこがどこなのか分かってない。

もう、本当にずるい。





桃色の洋服に身を包んだ
よく熟れた桃色の頬。

丁度お腹も空いていたし、
今日はじっくりこの子を食べることにする。







Fin


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