BOOK
□ちからになりたくて
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-----Nayeon's side-----
デビューしてからずっと、ダヒョン、あんたには少しだけ申し訳ない気持ちがずっとあったの。
私は長女なのに、ジヒョやジョンヨンみたいに周りに気が配れないし、ドジだしおっちょこちょい。だからダヒョンのことも無意識に傷つけてないかなって。
ツウィとチェヨンはメンバーの中でマンネだから、いつも皆から可愛がられるでしょ。私も、お姉さんらしくしないと!て思うと、2人を可愛がることが多いし。
ツウィやチェヨンと一つしか年は変わりないけど、ダヒョンはマンネラインのお姉さんだから、あんまり可愛がってあげられてないの。
そのことがいつも気がかりで、
でも素直じゃなく不器用な私は、相変わらずあんたを優しく、可愛い妹として接せれない。
大切なのに。
ごめんね、ダヒョン。
普段から私がそんなんだから、ダヒョンが苦しい時、辛い時くらいは絶対に力になってあげたいって思う。
この前、ダヒョンが足を怪我した時、1番にあんたの隣に行けて嬉しかった。力になれてたのか、分からないけれど。
私は足が痛くて上手く動けないダヒョンの手を握って、どこに行くにもサポートし続けた。そんな時ダヒョンがこんなことを言ってくれたよね。
『ナヨンオンニ、足のことで1番お世話になりました。本当にありがとう、これからもお世話してね!』
って。
一度だけ匿名にダヒョンに手紙を書いたことがあったよね。可愛がれなくてごめんねって。きっとその手紙を送ったのは私だって気付いてて、やっぱり可愛がって欲しいから、もっとお世話してね、なんて言ったんだよね。
それでも、
結局普段の私は
変わることができなかった。
そんな最近。
新曲はあっという間にブレイク。カムバックと同時に忙しい毎日に追われた。ツアー目前ということもあって、毎日のスケジュールの量が尋常ではない。忙しい中、なんとかチェヨンの誕生日を祝って、なんとかご飯を食べる時間を確保して、なんて大袈裟かもしれないけど、本当にそんなレベルだった。
あまりの忙しさに、不安やプレッシャーで泣きそうになりながらも、辛いのは自分だけじゃない!!!そう思いながら突っ走り続けたTWICE。
ある時、歌番組を終えた後、ふらふらのジョンヨンが私に抱きついてきた。
ジョンヨン「オンニー」
ナヨン「ちょ、どしたのフラフラしてるよ」
ジョンヨン「なんか疲れたみたい」
ナヨン「…そうよね」
椅子に座って水を飲みながら、壁にもたれかかって項垂れるジョンヨン。
そんなジョンヨンを見てたら私まで心苦しくなって、肩に手を回しながら俯いた。
よく見るも、メンバー皆そんな状態だった。完全に憔悴しきっている。
静かな楽屋。
そんな中聞こえてくる明るい声。
ダヒョン「みんな!!!元気出して」
顔をあげる。
ニコニコ元気なダヒョンだった。
ジヒョ「ダヒョナ、無理しなくていいんだよ」
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