BOOK
□Best friend
3ページ/3ページ
ジヒョ「…っ…オンニに何が分かるの?」
ナヨン「別に、分からないけど?あんたの気持ちなんて。折角また転がって来た新しいチャンスを、ドブに捨てるような奴の気持ちなんて分かりたくないわ!!」
ジヒョが立ち上がる。
明らかに怒っている。
ジヒョ「やー、何が言いたいのオンニ!?」
ナヨン「そうやってすぐ怒るんだね。気持ちを理解しようとしてくれてる人にも、そうやって怒るんだ」
ジヒョ「なんの話?」
ナヨン「さあね?毎晩あんたを慰めて、あんたの気持ちを必死に理解しようとしてた人よ。」
ジヒョ「…」
ジヒョの頭にはすぐにジョンヨンの顔が浮かんだ。そういえばあれから一度も口を聞いてない。
ジヒョ「…ちょっと、行ってくる」
ジヒョがリビングを出た後、
ナヨンは堪えていた涙を流した。
ナヨン「私だって、あんたとデビューするのがどんなに待ち遠しかったか…」
ジヒョは早足でジョンヨンの部屋へと向かった。勢いよくドアを開ける。
ジヒョ「ジョンヨ二!」
ジョンヨンはベッドで
求人雑誌を読んでいた。
ジョンヨン「ジヒョ…」
ジヒョはジョンヨンに近づき、
背中を優しく撫でる。
ジヒョ「ごめんなさい」
ジョンヨン 「え、?ジヒョ?大丈夫なの?」
ジヒョ「うん、それより背中、平気?」
ジョンヨン 「少し痛むけど、もうだいぶ治ったよ」
少し安心するジヒョ。
ジョンヨン 「ジヒョ、SIXTEEN参加するの?」
ジヒョ「…しないつもりだったけど。」
ジョンヨン 「…」
ジヒョは自分の頬に手を当てる。
ジヒョ「ナヨンオンニに引っ叩かれて、目が覚めた、かも」
ジョンヨンは目を大きくしてジヒョを見つめる。
ジョンヨン 「受けるの…?」
ジヒョ「…うん」
笑顔で答えるジヒョ。
それを聞くと
ジョンヨンは一瞬固まり、泣き出した。
ジョンヨン 「ぅわぁああぁぁん、ジヒョーーーー、良かったっ…良かった…っ私も、私も受けるよ…」
ジョンヨンはほんの数分前まで
受けずにいようかと本気で思っていた。自分に合った道はここではないのではないかと。しかし、親友のジヒョ、ナヨンとまた新しいことに挑戦出来ると思うと、受けない理由がなかった。
ジヒョはジョンヨンを抱き締める。
ジョンヨン につられ、涙が出る。
ジヒョ「…心配させてごめん、っ…ジョンヨン」
ジョンヨン「ジヒョ、本当に受けないかと思ってた…だから私も、自分に合う道を探そうと、ちょうど今あんたがくるまでしてたんだよ!」
そこへ、涙目のナヨンが部屋へ入ってきた。
ナヨン「2人とも、世話が焼けるわ」
ジヒョ・ジョンヨン 「おんにいいっっ」
2人はナヨンに抱きついた。
ジヒョ「おんに…さっきはごめん」
ナヨン「私こそ、殴ってごめん…」
結局、お互いが大切。
そのことに初めて気が付いた。
この2人だから、頑張れた。
1人でデビュー出来ても意味がない。
ジヒョ「これからも3人一緒、」
ナヨン「当たり前よ!」
ジョンヨン 「絶対デビューしてやる!」
3人は泣きながら抱き合った。
サバイバルオーディション、
SIXTEENはこれから始まろうとしている。