BOOK

□Best friend
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ジヒョ「…っ…オンニに何が分かるの?」

ナヨン「別に、分からないけど?あんたの気持ちなんて。折角また転がって来た新しいチャンスを、ドブに捨てるような奴の気持ちなんて分かりたくないわ!!」


ジヒョが立ち上がる。
明らかに怒っている。


ジヒョ「やー、何が言いたいのオンニ!?」


ナヨン「そうやってすぐ怒るんだね。気持ちを理解しようとしてくれてる人にも、そうやって怒るんだ」


ジヒョ「なんの話?」





ナヨン「さあね?毎晩あんたを慰めて、あんたの気持ちを必死に理解しようとしてた人よ。」


ジヒョ「…」





ジヒョの頭にはすぐにジョンヨンの顔が浮かんだ。そういえばあれから一度も口を聞いてない。



ジヒョ「…ちょっと、行ってくる」







ジヒョがリビングを出た後、
ナヨンは堪えていた涙を流した。




ナヨン「私だって、あんたとデビューするのがどんなに待ち遠しかったか…」












ジヒョは早足でジョンヨンの部屋へと向かった。勢いよくドアを開ける。



ジヒョ「ジョンヨ二!」




ジョンヨンはベッドで
求人雑誌を読んでいた。




ジョンヨン「ジヒョ…」


ジヒョはジョンヨンに近づき、
背中を優しく撫でる。



ジヒョ「ごめんなさい」


ジョンヨン 「え、?ジヒョ?大丈夫なの?」


ジヒョ「うん、それより背中、平気?」


ジョンヨン 「少し痛むけど、もうだいぶ治ったよ」




少し安心するジヒョ。



ジョンヨン 「ジヒョ、SIXTEEN参加するの?」

ジヒョ「…しないつもりだったけど。」


ジョンヨン 「…」


ジヒョは自分の頬に手を当てる。



ジヒョ「ナヨンオンニに引っ叩かれて、目が覚めた、かも」



ジョンヨンは目を大きくしてジヒョを見つめる。


ジョンヨン 「受けるの…?」


ジヒョ「…うん」


笑顔で答えるジヒョ。


それを聞くと
ジョンヨンは一瞬固まり、泣き出した。



ジョンヨン 「ぅわぁああぁぁん、ジヒョーーーー、良かったっ…良かった…っ私も、私も受けるよ…」



ジョンヨンはほんの数分前まで
受けずにいようかと本気で思っていた。自分に合った道はここではないのではないかと。しかし、親友のジヒョ、ナヨンとまた新しいことに挑戦出来ると思うと、受けない理由がなかった。


ジヒョはジョンヨンを抱き締める。
ジョンヨン につられ、涙が出る。


ジヒョ「…心配させてごめん、っ…ジョンヨン」


ジョンヨン「ジヒョ、本当に受けないかと思ってた…だから私も、自分に合う道を探そうと、ちょうど今あんたがくるまでしてたんだよ!」





そこへ、涙目のナヨンが部屋へ入ってきた。




ナヨン「2人とも、世話が焼けるわ」


ジヒョ・ジョンヨン 「おんにいいっっ」


2人はナヨンに抱きついた。



ジヒョ「おんに…さっきはごめん」

ナヨン「私こそ、殴ってごめん…」





結局、お互いが大切。
そのことに初めて気が付いた。
この2人だから、頑張れた。
1人でデビュー出来ても意味がない。









ジヒョ「これからも3人一緒、」

ナヨン「当たり前よ!」

ジョンヨン 「絶対デビューしてやる!」





3人は泣きながら抱き合った。








サバイバルオーディション、
SIXTEENはこれから始まろうとしている。


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