BOOK
□頑張りすぎちゃダメ
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TWICEはいつものようにハード
スケジュール。いや、今回は経験したことがないくらい更にハードだ。睡眠時間を削り、次々と出る新曲のレコーディング、ダンスの振り入れ、バラエティや歌番組などでTWICEは全員必死だった。
その中でも最もプレッシャーを感じている人物。
ジヒョ「このような素晴らしい賞を頂けて光栄です。TWICEを沢山愛してくださり本当にありがとうございます。これからも期待に応えられるように精一杯頑張ります!」
ジヒョはメインボーカルでありTWICEのリーダー。インタビューなどは率先して答え、歌うパートが多いため、毎日何度も何度も練習を繰り返す。性格上、メンバー1人1人に気を遣い面倒を見てしまうので、気づかないうちに疲れてしまうことが多々ある。
歌番組、表彰式を終えたTWICEは日本へと向かった。明日は日本の朝のニュース番組に生出演の予定だ。
メンバーは皆飛行機で眠りについた。そんな中、ジヒョは日本語を検索にかけていた。明日の番組ではリーダーとしての質問があるらしい。日本メンバーを起こすのが1番早く理解できるのだが、疲れている中起こすのも悪いので1人で黙々と日本語を練習していた。
日本に着き、ホテルへ。
2人部屋が3つ。
3人部屋が1つ。
朝が早いため3時間ほどしか寝れない。皆疲れていたので深い眠りに落ちた。
ジヒョはナヨンと同室だった。
ナヨンはシャワーを浴びて、
髪の毛を少し乾かすと、
ナヨン「ジヒョも早く寝な」
と言いすぐに寝てしまった。
ジヒョは、あとは発音だけ!と追い込んでいた。これが終わればすぐに寝るぞ!と、思っていたのだが…
発音が難関だった。
どうしても上手く発音出来ない。
諦めずに練習していたジヒョだったが、日本語を書き込んでいたノートに雫がポタリと落ちた。
ジヒョ「あれ、」
いつの間にか溢れていた涙。
ジヒョ「…っ、やだ、なんで」
辛くなんてない、光栄なことなのに、そう思いながらも何故か涙は止まらなかった。
すると
背後から暖かい温もりを感じる。
ナヨン「ジヒョや」
ナヨンはジヒョを抱き締めた。
ジヒョ「おんに、、?起きたの?」
ナヨン「あんたが心配で寝られない」
ジヒョは慌てて涙を拭き取る。
ジヒョ「大丈夫。前からこうやって頑張って来たんだから」
ナヨン「じゃあ、なんで泣くの」
ジヒョは答えることが出来なかった。
ナヨン「ジヒョや、あんただけが辛い思いをするのは私が嫌だ。飛行機も寝てなかったし、日本語は3人がサポートしてくれるはずだよ」
ジヒョ「おんに、、うん、分かってるよ、でも」
ナヨン「だめだめー。今日はナヨンちゃんはジヒョちゃんと一緒に寝まーす」
そう言いナヨンはジヒョを机から剥がしベッドに押し倒した。
そして、力強く抱きしめた。
ジヒョ「おんに?」
ナヨン「いつからの付き合いだと思ってんのよ。平気なふりすんな〜」
ナヨンもジヒョが苦しんでるのは心が痛い。勿論ナヨンも物凄く疲れていたが、無理して頑張るジヒョを見ていられなかった。
ナヨン「たまにはおんにに甘えなさい」
そう言いジヒョの頭を撫でる。
ジヒョ「おんに…私…私」
ナヨン「うん」
ジヒョ「…日本でもしっかり頑張りたいし」
ナヨン「うん」
ジヒョ「…何故泣いてるのか自分でも分からないの…っ」
ナヨン「….うん」
ジヒョ「…っ頑張らないと…」
今回のことだけではない。
様々なプレッシャーを跳ね除け走り続けてきたジヒョ。いくつものプレッシャー積み重なり、それが負担だったことに今気づく。
ナヨン「ジヒョ、よくやってるよ。でももっと頼っていいんだよ。私はあまりお姉さんらしくないかもしれないけど、まだまだ頑張れるよ。もっと頼って?」
ジヒョはナヨンの腕の中で泣き崩れた。
ジヒョ「おんにっ…ぅえええんっ….ありがとうっ…」
ナヨン「うん」
ジョンヨンもそうだが3人は付き合いが長いせいか、お互いにあまり素直になれない。
珍しく弱気で素直なジヒョを、
ナヨンは涙を堪えながら抱きしめ続けた。
ナヨン「辛い時もずっと一緒」
ジヒョ「うんっ…おんに….」
2人は眠りへ落ちた。