Natzu

□素顔
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【※性描写あり】







なんで私達は付き合ってるんだろうか、最近ふとそんなことを考える。私は彼女が好きで、彼女も私が好き。恋人らしいことをしたのはずっと前で、お互い忙しいから仕方ないと自分を納得させつつも、メンバーの中心できゃあきゃあ騒いでるオンニを私は見ているだけ。一緒に帰ろっか、差し出された手を取って練習終わり2人で歩く夜道は好きだった。けれどそんなことが出来るのは僅かで、私はいつも片思いをしている気分。

今日だって、友達とお酒を飲んで酔っ払って帰ってきて、化粧を落とす途中で寝てる。お風呂は諦めたのか、手に握られている化粧落としのシートが目に付いた。美意識が高い彼女が化粧を落とさずに寝るなんて珍しいけれど、毎日仕事続きで疲れているに違いないし、仕方がないか、と私は彼女の手からシートを取った。次の日になって、なんで起こしてくれなかったの!と怒ってくるのが目に見えてるので、身体を軽く揺すってみる。


「ナヨンおんに」
「…」
「メイク、落とさないと」
「…んー、」


寝返りを打つように私と反対方向に向いてしまう、華奢な背中。これ以上起こすのは流石に申し訳がなくなって、私はそっと優しくシートを彼女の頬に滑らせた。


「…」


こういう瞬間は、嫌いじゃない。一緒に住んでなきゃ出来ない、彼女である私の特権だ。肌色が剥がしたその素肌は真っ白な透明な肌で、ファンデーションなんてしなくていいとさえ思う。私は丁寧にそれらを拭き取りながら、きれいだな、と思う。
ぷっくりした唇を指でなぞる。濃いピンクが人差し指を彩る行程に、何故だか夢中になった。シートに指を少しつけては唇に触れて、少し色味の薄くなった唇を見ると心が満たされた。わけもなくそんな行為を繰り返していくうちに、彼女の唇が薄っすらと開き始める。あ、本格的に寝ちゃったかな。彼女が寝てしまったことを良いことに、私は更にその唇を弄ぶことにした。
徐々に落としていくピンク、そろそろもう残っていない。この色は彼女の唇の色。こんなにピンク色だっただろうか。指にかかる温かい寝息、上唇をなぞるとカチ、とウサギみたいな前歯に触れる音、素顔で無防備な彼女に私はゴクリと唾を飲み込む。

少しだけ…

私は唇を彼女の唇に重ねた。ぷっくりした柔らかい唇がきもちいい。キス、久し振りだな。そう思いながらちゅ、ちゅ、と唇を合わせて、甘噛みしてみたり、舐めてみたり。私で染まる可愛らしい唇が愛おしかった。メイクしてる時より、素顔が好き。外面の姉御肌の綺麗なおんにより、堂々と口を半開きにして寝てる無防備な可愛いおんにが好き。

「おんに…」

ポツリ、呟くように言ってみる。呼んだわけじゃない。起きないかな。私は再び彼女の唇に触れて、キスをした。首筋、鎖骨、白い肌を手で滑らせて、キスを落としていく。いい匂い、おんにの匂い。キスをしながらワイシャツのボタンを外して、胸の膨らみに顔を埋める。すると初めて、ぴくりとおんにの瞼が動いた。


「んー…ツウィ…?」
「…あ…おはよう、ございます」
「何、してんの」
「…えっと」
「寂しいの…?おいで」


ほら、ぎゅーって私の背中に腕を回すオンニ。更に身体が密着して、ばくばく高鳴る鼓動。嬉しかった。お酒の匂いとおんにの匂いが混じり合って、こちらまで酔いそうだ。服のボタンを外されたことに気付いていないらしいおんには、私を抱きしめたまま寝息を立て始めた。次第に腕の力もなくなって、ベッドにどさ、と落ちてしまう。抱き締めていて、欲しいのに。


「おんには…私のこと、…好きですか」
「…」


脱がせたワイシャツの中、白い腹部をやんわりとなでるとビク、と動く細長い手の小指。


「私はおんにが…こんなに好きです」
「…」


首筋にキスをしながら、下着の上から胸の膨らみに触れる。柔らかい、首も、お腹も、胸も。もっと、触りたい。下着の下から手を入れて、直接胸の突起に触れる。指先でちょん、と触れていればすぐにピンと勃って、私の指で感じていると思うと興奮した。彼女と最後にしたのは、3ヶ月前くらいだっただろうか。私が彼女を触れたことは、ないのだけど。
どうやって良いのか分からないけど、彼女の可愛い顔が見たかった。どこもかしこも柔らかい、作らないありのままの姿を全部、見たかった。

臍まわりをくるくる謎って、その手を下へ滑らせる。ショーツの中に手を入れれば、ぬるっとした感触に身体が震えそうになる。胸の突起に唇をつけて、舌で転がしながら下に伸ばした手は濡れたそこを撫で上げるように触れる。くちゅ、くちゅ、聞こえてくる音が私をまた興奮させた。…こんなつもりじゃ、なかったのに。ただ化粧を落としていて、あげただけなのに。


「…ん、…ちょっと…!」


やっと目を覚ました彼女は、慌てて上体を起こそうとしたので、肩をベッドに押さえ付けて唇を塞いだ。


「んー…っは、やあ!」


とんとん私を叩く弱々しい力。意識を取り戻すも、酔っ払った彼女が抵抗出来る訳もなく、彼女は首を激しく横に振った。唇が離れてしまうと、彼女はとろんとした目で私を見上げる。




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