sanayeon
□犬と猫
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「わ、ま、待ってオンニ…」
「待てない」
ごめん。「待て」なんか出来ないの。
だって私、猫だもの。
忠実な犬のあなたとは違って、
気分屋で、誰かの言うことなんて聞けない。
私は私のやりたいようにするわ。
「やぁ…っ」
私の指を盛大に歓迎してくれるかのように絡みつくサナのなか。久し振りだから、締まりが良くて私の指を強く締め付ける。
指を折り曲げて
思い出すようになかを探る。
「きついわね」
「…っ、ふ、んぁっ…久し振り、やし…」
「自分でシてるかと思ったけど」
「そんなん、するわけ…っ」
「いい子」
犬は頭が良いから、飼い主の帰りを信じてじっと待ってる。やめて、なんて強く言えない。飼い主に逆らうことなんてしない。こんな、猫みたいな飼い主でも。
指をくいっと折り曲げる度、大きく喘ぐ。スピードを速くしていけば全身の力を失って、下腹部に全神経が集中して、はしたなく空いた口や開かれた足から液が溢れる。
なんて淫らで、愛おしいんだろう。
「だめ、だめ….っあぁあんッ!」
「まだイっちゃだめよ」
「ふぇ…、むり、おんにぃ…っ」
純粋なその瞳に涙を滲ませて、迫り来る波に必死に耐える。キスを試みて顔を近づければ、彼女の熱すぎる吐息に全身がゾクゾクして、唇に噛みつくように、食べるように覆った。
「んっ、んんーーっ!」
弱々しく私の背中を叩いて、苦しいと喚く。私は少しの酸素を与えながら、何度も口の周りを汚した彼女を咥内を犯す。
ぎゅうぎゅう締め付けるそこに、私の興奮もまた煽られて、歯を立てて唇を噛めば、ふにゃっと柔らかい唇は簡単に傷付いてしまう。
「やぁぁあ…ッ!!オンニ、もう…」
もはや叫んでいるとも思える必死の声。
可愛い、と言うよりは苦しそうな甲高い声。
切れた口の端から流れる赤い液が
綺麗でうっとりする。
「痛いの、好きでしょ?」
ぺろりと舐めれば甘い味が口全体に広がって、くらくらとする。サナはコクンとうなづくと、私の肩を軽く押した。
そしてぎゅっと指をまた強く締め付けたと思ったら、叫んで背中を大きく反らせた。
ビク、ビク、なかは痙攣していて、呼吸が乱れて全身の力を失ったサナ。
布団を被せて、
後ろからぎゅっと抱き締めた。
「疲れちゃった?」
「…うん…」
こちらに向き直って私をポーッとした瞳で見つめるサナ。口から出る赤い液はホテルの真っ白なシーツを汚して、どきっとする。
「私のサナ。大好き」
指でサナの口の端をまた舐めとって飲み込むと、身体の中心がまた熱くなってきて彼女を求める。
「ねえ」
頬を撫でて、弱りきったサナに話しかける。
ふらふらのサナに
私は何の気遣いも出来ない。
「もっかい」
目を一瞬細めて、私を拒むような視線を向ける。疲れたでしょ、分かってるよ。でもまだ足りないの。もっとぐちゃぐちゃにさせて欲しい。
ほら、私気分屋だから。
すぐにまた思いついてしまうの。
「いい、よ」
涙目でそう呟くサナ。
「流石私の彼女」
傷付いた唇を奪って、
布団を剥がして
弱った身体に馬乗りになる。
忠実な犬は、気分屋の猫に振り回されながらも、愛されてる喜びを実感して、また私を自分から求めてくれるでしょう。
Fin