白執事

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少年が座る椅子と机を挟んで、少女は真っ直ぐに少年を見つめ名前を尋ねる





「……あなたの、名前はなに?」





「なんだ。僕が女王の番犬ということは知っているくせに、名前は知らないのか?」





「……」





図星なのか、顔を俯かせて黙り込む少女に少年は息を吐いて、名前を名乗った






「……シエル・ファントムハイヴ。ファントムハイヴ家の当主だ」






「……わたしは、シロ。



あなたを……何と呼べばいい?」






「好きに呼べばいい」






「そう……」






ぼんやりと、眠そうに、いつも通りにそう言った少女を横目で確認すると
セバスチャンはシエルに声をかける





「ところで坊ちゃん。シロは今後、どのような動きをさせるつもりです?



メイリンと同様。家の仕事を?それとも私と同様、貴方の傍に?」






「どちらもだ」





「どちらも……ですか」





机に両肘をつき、宙で両手を合わせて1つの拳を作ると
それを口元に持って行く




「仕事の際は僕と共に来させる。無論、僕が危険に及べば守らせる。




それ以外の場合は、屋敷の仕事や、使用人と共に仕事に行く場合、サマーハウスの仕事もさせる」







「それは……いくら私が出来ると言っても、彼女には少し厳しいのでは?」






その言葉にふん、と鼻を鳴らして、少年は椅子の背もたれに体重を預けた






「シロも無能じゃないだろう。実際にやらせて、ダメだった場合また考えるさ。



とりあえずお前は、シロに屋敷の仕事を教えてやれ。



それから、この後すぐに仕立て屋を呼べ。
仕事を教えるのは、その後だ。




シロも、そのままじゃ不格好だろう」







彼らの話を、ボーッと眺めていた少女はその言葉に、静かに自分の服を見下ろした
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