狩物語
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二次試験会場についたのだろうか
大勢の受験者たちが閉ざされた巨大な門の前で
集まっている
気絶したままヒソカの肩に担がれているレオリオを木影に座らせて
さあ自分も好きに歩こうかと足を踏み出そうとすると
グイッ、と痛くない程度の力で腰を引かれる
なんだ、と犯人の顔を振り返れば
予想通りというべきか、ヒソカの顔が移った
「なんだ?ヒソカ殿。
まだ私に用事だあるのか?」
「いや♣ないよ♠」
「ならばなんだというのだ?」
にこりと笑みを浮かべたままレオリオを座らせた木とは離れた場所まで私と共に歩いていく
「もう少し一緒に話そうよ♡
別に減るもんじゃないしいいだろ?♦」
胡坐をかいて座ったかと思えば、その開いた足の間に
私を座らせると
後ろから腕を回してホールドする
確かにスキンシップは多いが
これくらいのことをされて恥ずかしがるほど私は乙女ではないし
なにしてるの?と問うほど鈍感な天然でもない
そのキャラクターはむしろ私が愛でたい←
「なんだヒソカ。あなたは意外と甘えん坊なのか?」
クスリ、と笑いをこぼしながら
抵抗するでもなく、拒絶するでもなく
ただ力を抜いて、背中に当たったヒソカの胸元に体重をかけた
ただ申し訳ないが、警戒を解いたわけではないのだ
いくらヒソカが甘えたとして、彼は快楽殺人鬼であり
残酷な人である
互いに信頼しているのならば話は別であるけれど
生憎、今の私には彼に完全に気を許すほど単純ではないのだ
ヒソカにホールドされた私はただのんびりと
時間が過ぎるのを待ち続けた