星娘の核

□01
3ページ/15ページ

「やった!7000ジュエルもまけてもらっちゃった!!」




軽い足取りで街中を歩く少女は、多くの女性の完成を耳にして
原因である場所の、橋の下に目を向けた





すると後ろを、若い女の子たちが駆け足で歩いていく




なんでも、有名な魔道士が来ているそうで
名前をサラマンダーと言うらしい




「サラマンダー……?もしかして、店じゃ買えない、火の魔法を操るって言う!あの?!
この街にいるの?!」





わくわくと、期待を胸に抱いて、少女は駆け足で階段を降りる





少女にとって、サラマンダーは憧れでもあった





別にサラマンダーだけというわけではないのだ





店で買うことのできない魔法を操る魔道士が、凄いと思っていた





自身で魔法を作り出して使う魔道士が





その中でも格別少女の中で大きな存在であったのがサラマンダー





妖精の尻尾のギルドメンバーである火の魔道士






雑誌に載っているものは、いいものとは言い難い




街は壊すし、問題は起こす





だけど、店で鍵を買うことが主な星霊魔道士である少女にとって
自身で魔法を放出できる魔道士に、酷く憧れた





確かに、星霊魔道士も強いけれど、自分にないものだからこそ強く惹かれてしまうのだ






そんな憧れた魔道士がこの街に来ている




こんなの他の女の子と一緒の名誉みたいになるけど、会いたいと思ったのだ




一度でいいから、自身の、瞳で






多くの女性の群れをかき分けて、前で姿を探す




目的のそれは、少女の姿を見つけると
笑いかけてくる





途端に少女は胸の鼓動が早くなり、顔に熱が溜まり始める






頭に熱が昇って、目の前の男しか見ることができない






少女の頭は混乱で訳が分からずにいた







(なに、これ……胸がうるさい!有名な魔道士だから?だからこんなにドキドキするの??)





ふらふらと、おぼつかない足取りで男へ近づこうとすると
女の間をかき分けて、桜色の髪をした同い年くらいの少年が出てくる





「イグニール!」




その声につられて、少女がフッと視線をそちらに向けた時
胸のうるさい鼓動は静かに収まっていく






視線をずらした時、男の指に魅了魔法具であるチャームの指輪を視界に入れたからだ





「……誰だお前」





困ったように、ガッカリしたようにそう言う少年に、男はショックを受けたように驚くが
すぐに気を取り直して右腕を軽く掲げる




太陽の光に反射されて、チャームの指輪がキラリと輝く





「サラマンダー、と言えば分るかね?」






しかし、すでに先程までの場所に少年はおらず、少し離れたところを歩き
落ち込みながらここから離れようとしていた






しかし、男に魅了された女たちが黙っているはずがなく、
数名の女が少年に飛びかかった
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ