12/10の日記

20:25
コロコロアニキ2018年夏号
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伸ばし伸ばしにしてたらもう冬号まであと5日…だと……。


もうネタバレも何もというくらい時間が過ぎてしまったので追記せずここに書いてしまいます。








第3話「誰がために戦う」
・コロッケ・ウスターは森の中で自分たち同様現世に蘇っていたフォンドヴォー・T-ボーンと再会。
・4人が再会を喜び合うのも束の間、コロッケがバーグを殺そうとしていることを知ったフォンドヴォーは激高。
・コロッケが隠し持っていたバーグからの手紙から、「いずれ世界を破滅させようとする自分を殺してほしい」というバーグ本人からの指令によるものと発覚。
・事情を知ってなお、バーグを守ることを宣言するフォンドヴォーはT-ボーンを連れて別方向の西へ出発。
・東へ向かっていたコロッケとウスターは、溶岩に面した一本道でシャトーブリアンの部下に襲撃される。
・とどめを刺されそうになったコロッケを庇ったのは、西へ向かったはずのフォンドヴォー。そのまま深手を負ったフォンドヴォーは溶岩へ真っ逆さまに。
・その怒りからコロッケは敵を撃破。あとから追いかけて来たT-ボーンからフォンドヴォーが「家族」としてバーグだけでなくコロッケを守ろうとしていたことを聞かされるコロッケは、激しく慟哭する。
・フォンドヴォーの想いを知ってなお、3人は振り返らずに進んでいくことを決意。


導入が「焚火で敵に気づかれる」なあたり、やはり旧作と対比させているのは間違いなさそうですね。いや無印第3話はそういう作戦で敵をおびき寄せていたのに対し、こちらは本当にうっかりだったんですが。つーかウスター、そんな凡ミスをするとはそれでも頭脳派ファイターかい。

そして敵かと思いきや現れたのは、何とフォンドヴォーの兄貴とT-ボーンでした。正直2人とも予想していたよりずっと早い再登場でございます。
ミニサイズ化したウスターに早速喰いつくT-ボーンが微笑ましいこと。思えば昔からTは少年時代にぬいぐるみを抱えていたりBSのクレーンゲームで自分が獲ったやつを自慢していたりと何気にマスコット的なものが好きですよね。あと、フード姿の時に振り上げていた武器が骨ヌンチャクに見えなかったのは…気のせいですかね。
フォンニキは流浪のバンカー生活のくせにマイカップを持参しているのは棺桶の中の七つ道具でしょうか。しかし、何気にハンバーグー発動中のコロッケさんを突然ぎゅー!!できるなんて、同じハンバーグーの使い手で且つコロッケより数枚上手なフォンニキだからこそ為せる業ですよね。


今回、「バーグを殺す」願いが他でもないバーグたっての指令であったことが判明。そしてこのバンカーたちが復活している世界を覆い尽くす「邪悪な気配」が間違いなくバーグのものであることにコロッケ・フォンニキ両名が納得している模様。これはシャトーブリアンやグランシェフ王国を侵略している組織とも関係がありそうですが。
そして気になるのが、コロッケがこのことをフォンニキたちはもとよりウスターにすら話すつもりがなかったということです。バーグのことを自分ひとりで抱え込むつもりでいたということです。それはすなわち、バーグの肉親が自分ひとりだから……バーグが世界を滅ぼすのを阻止する責任を負っているのは自分だけだからということでしょうか。


今回のフォンニキのことは以前から自分の中でぼんやりとイメージしていたことが、そのまま本人の口から語られたような感じです。要は言質が取れたというか「うん、そうだったよね。」です。
バーグが巨大な悪の存在として復活する(した?)については今後の情報待ちなのでひとまず置いといて、今はあまり考えません。
この3話で描かれたのはフォンニキが今まで何をしてきたか、まさしく「何のために、誰のために戦ってきたか」です。
フォンニキが天涯孤独という設定はアニメ7話が初出ですが、原作も単に言及される機会がなかっただけでそうだったんだろうと思います。それくらい、フォンニキは話のメインとしてスポットが当たることが少ないキャラでした。フォンニキによるバーグやコロッケの回想って「バーグはこんな人だったよ、すごいんだよ」という主旨のものばかりで、彼自身は飽くまでバーグというヒーローを見つめる脇役で。今回のように「俺にとってバーグは、コロッケは何だったのか」「俺にも「家族」が出来たんだよ!」という彼自身の想いに迫ったものを描かれたのはたぶん本当に初めてだったと思う。

かつてはバーグ・コロッケから「友だち」と言われていたフォンニキでしたが、今回はバーグから「家族」と呼ばれていました。そしてカッシーの中でもフォンニキはバーグ・コロッケ親子の「家族」としてカウントされているようです。
しかし実際のところ彼ら3人の関係というのは、フォンニキにとってのこの親子は「師匠」「友だち」「弟」等で形容されてしまうことすら憚られるような、もっと深い繋がり、もはや自分自身の一部とも言えるのではないでしょうか。
思い返せばフォンニキが生死不明になった時っていつも、今回と同じようにコロッケを庇って身代わりになった結果脱落したからでしたよね。そして最初に脱落した砂地獄回では、「命を懸けて守りあう友情」を師匠から教わった話をしています。
要は彼は、バーグの教え「友情や愛のかたち」をものすごく忠実に受け継いで、それを常に実行し続けてきたのです。バーグに命懸けで守られたことがあったからこそ、自分もその姿を見習ってしまっていたわけです。弟同然の存在であるコロッケを救うために何度でも自己犠牲を繰り返してきたわけです。
愛する「家族」を守るために。
これこそが、フォンドヴォーという男がこれまで戦ってきた理由でしょう。


けど悲しいかな…。T-ボーンからフォンニキの「想い」を諭されたところで、コロッケの方が「オレにとってもフォンドヴォーは家族だよ!」と思うかと言われれば、思わない気がする。
赤ん坊の頃の出来事を覚えていないコロッケにとってフォンニキはBSで初めて出会った人ですし(まあだからこそフォンニキが黒マントのミスリードになるという展開が成立したわけですし)どうしたって「父さんのことを知っている友だち」止まりの認識じゃないかと。フォンニキがコロッケに向けるような「肉親愛」をフォンニキに対して持つことは出来なかったのでは。
ある意味コロッケとフォンニキの関係性って、ほぼ一方的に庇護しているフォンニキの壮大な片想いで、自己犠牲という名の自己満足なのかも。
影に日向に命懸けで守られていたからこそ、コロッケはいつまでもバーグ(父さん)やフォンニキに近づけないのかもしれません。皮肉な話です。



さて、今回は衝撃の、というかごく当たり前の事実がしれっと、本当にサラッと判明しました。
やっぱり無印時代の非バンカーの人々はとうの昔に寿命を迎えて、T-ボーンの故郷の家族もみんな死んでいました。
これはもう浦島太郎ですよね。一度壮絶な戦いの末に死んで蘇ったかと思いきや、生前から幾時代も過ぎていて、待ってくれていたはずの人たちがいない。
そしてそれは王国を残して戦死し、復活した現世で再び王国を守ろうとしている2話のリゾットにも当然当てはまることでしょう。
なのにそのことでしんみりせずニコニコとフォンニキと語らって見せるT-ボーンですが、それは彼の中ではもう昇華した事実ということなのか。まあしんみりしない姿こそT-ボーンなんですよね。

そんなT-ボーンが、フォンニキの脱落を知らされて涙ぐんでるわけですよ。仲間や読者に涙を、深い悲しみを見せているんですよ。初めてじゃないですか?
そしてフォンニキが追いかけてきた理由を、コロッケを家族だと思っていたことを代わりに話してコロッケに伝えているのもT-ボーンです。無印だったらこういうのはウスターやリゾットあるいはプリンあたりの役割だったことを考えればほぼ初めてです。
前々から思っていたけれど、T-ボーンはアホだけど、「馬鹿」では決してないですよね。あれだけいつも寝てばかりのくせして常に人と人をよく見ているし、そのために気を遣ったり見せ場を委ねたりしている。だから今回描かれたフォンニキの「想い」がT-ボーンによって説明されても全く違和感を抱かせていません。
それにしても、今回は珍しく「起きて追いかけた」にもかかわらず、T-ボーンはほんの少し、間に合いませんでしたね。寝ている間に仲間たちが脱落した裏BSとは違う。持ち慣れないマンモス10頭分(軽くても約80dです!)の棺桶を担いで走ってきたことを考慮すればやむをえないとはいえ、さぞ悔しかったでしょうね………。



本音を言えば、私も訓練された読者なので(←)フォンニキが本当に退場とは信じられないし、信じたくありません。この先どうなるかは皆目見当がつかないけれど、最後までこのバンカーたちを見守っていきたいと今は思います。


では秋号感想も完成させます。
カテゴリ: ブラレ感想

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