夢小説

□お久しぶりです 戦の国 (アカセカ/信長メイン)
1ページ/8ページ


信長の苛立ち

《到着》
山の中腹に 戦の国の 鳥居はあった。
こっちの巫女が祈っても跳べるんだな と綱吉が ぼんやり考えるなか
蘭丸は カサリ、と小さな音がしたのを 聞き逃さなかった。

「そこにいるのは誰だ!」

反応はない。

「まさか、式神!?」

「...そんなカリカリしなさんな。 突然現れてしまったのはこちら。 ...すみませんが 10数える間に 姿を現すか 去ってください。そうしないと あなたの命が危ない。いきますよーいーち......」

少女が数え始めると やがて 馬のいななきと鞭打つ音が聞こえ 蹄を大きく響かせ 何者かは去った。

「む、あさやさん!」
「行きましょう。まったりしてると日が沈みます。」

蘭丸は ぷくりとほほを膨らませ まぁいいか、と刀を鞘にもどした。

「...そうですね、今からいけば 夕餉の準備に間に合います。行きましょう。」

「ずいぶん家庭的な理由だな!?」





《謁見》


「ハッ」

蘭丸から 旅の経過を聞かされた信長は 鼻で一笑した。

「やはり あの陰陽師 賢いわ...両兵衛を呼べ」

そう 明智に命じると 自分 奥の間に去った。

「...清明が 賢い...?ってことは、あいつの目的が分かったのか...?」

明智は 両兵衛を呼びつけながらも どこかぼんやりしている巫女について考えた。

どう見ても もう一人の巫女よりも まだずっとこどもで 知能も低そうだが、 蘭丸の話を聞いている間中、信長様は ずっとそちらを凝視していた。

巫女は 畳の目を数えているようだったが 掛け軸等も見ていた。

よくわからない、女だ。 自分がそうだからか 明智は底の見えない人間が嫌いだ。

「あの、夕餉の支度をしたいのですが...」

「蘭丸、あなたは 旅人の立場。 おとなしく そこに座っていなさい。」
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ