短編置き場

□熱が伝わる
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理佐side




肌にまとわりつく制服を脱いで、シャワーを浴びてお湯につかると、着替えを取ってきていた愛佳が入ってきた。
付き合い始めてから結構経っているから、キスとかその先のことだって何回かしたことはあるけど、こんな明るいところでお互い裸になることなんて初めてで、恥ずかしい。
だから目のやり場に困って、水面で遊んでいると、上から降ってくる愛佳の声。



「このお風呂、2人じゃちょっと狭いね」
『たしかに、私先入ってたし、もう出るよ』
「えー、だめ。せっかくなんだから一緒に入ろう」



なにが、「せっかく」だ…。
愛佳は恥ずかしくてそわそわしている私の隣に入ると、私の腕を引っ張って後ろから抱きしめた。
何もきていないから、直接触れる肌と肌。



『ねぇ、愛佳。恥ずかしいって』
「んー?理佐照れてるの?」



その声は楽しそうで、顔を見ていなくてもニヤニヤしているのが分かる。



「でも、顔見えてるほうが恥ずかしくない?」
『まぁ、そうだけど…』
「でしょ?」



そういいながら、愛佳の手は私の腕を何度も往復していて。
鎖骨の方にのびてきたかと思えば、右耳に感じたぬるっとした感触。



『ちょ…、だめだってっ…お母さんいるんだよ?』
「でもさ…、今日の理佐エロいんだもん」
『はっ?』
「我慢できない…。」
『…ぁっ…』



耳に意識がいってて、胸まで下りてきていた愛佳の手に気づかなかった。



「ふふっ。ここ、触ってないのに固くなってるよ?」
『や、だ…っ』
「理佐も興奮してるじゃん…」
『してない…っ、ぁん…!』
「声抑えて。聞こえちゃう」



抵抗したくても、いつの間にか両腕をおさえられていて動けない。
耳元で囁く愛佳の声に体は正直に反応してしまって。
声を出したら、お母さんに聞こえてしまう…。
わかっているのに、私の体は、なぜかいつもより愛佳の動きを敏感に感じ取る。
愛佳の手が、私の胸から下におりようとしたとき、脱衣所のドアが開く音がした。



愛佳母「ふたりともー。ご飯できたから早く出てきなさーい」
「はーい」
『…まなか』
「理佐…、どうする?このままやめる?それとも、最後までする?」
『…っ』



耳元で囁かれるその愛佳の熱をもった声と、私の太ももを撫でる少し大きな白い手。
早く出なくちゃ、お母さんが不審がってまたきてしまうかもしれないのに。
いつもと違うスリルある状況にそわそわして。
体が熱いのは、お湯に浸かっているせいだけではないのは十分に分かっていて。
堪えきれず、振り返って愛佳にキスをした。
軽いキスのつもりだったのに、それが合図だと思ったのか、愛佳の熱い舌がぬるっと入り込んできて。



『ぁ…ん…!』



太ももを彷徨っていた愛佳の手が、そこに触れた。



「理佐…、すごいよここ」
『いわなくて…っ、いい…!』



入り口を何往復か撫でてから、愛佳のその長い指が2本入ってくる。
時間が無いせいで、それはいつものような優しいものではなくて。
私の好きなところを把握している愛佳は、そこを重点的にせめてくる。

やばい…、声出ちゃう。

手の甲を口に当てて、必死におさえようとしても、愛佳の指は容赦なく動き回る。
お母さんがいるのに…、とかそんなことを考える余裕はだんだんなくなってきて。
徐々に大きくなる快感の波に、声を出さないように必死に耐えることしかできなかった。



「理佐、可愛い…。」



耳元に感じる愛佳の熱い吐息にぞくぞくして、体が限界が近いのを感じた。



『んっ…、ぁっ、やだ…っ!』
「理佐」
『ん…っんぁ…っ!』



愛佳の指が奥を掠めたとき堪えきれなくなった声は愛佳の唇に吸い込まれた。
ビクビクと震え、脱力した私の体を愛佳は後ろから包み込んだ。



「ふふっ。理佐、可愛い」
『はぁ…、もうやだ…』
「大丈夫?出れる?」
『ん…』



うまく力の入らない体を、愛佳に助けられながら起こして立ち上がった。
どうにか体についた水滴をバスタオルでふき取って着替える。
内側からの体の熱はなかなか消えることが無くて、ふいてもふいても肌は汗ばんだまま。



「理佐」
『ん?なに』



振り向くと、愛佳の目は先ほどより熱を帯びていて。
その目を見つめていると、だんだん近づいてくる愛佳の顔。
その唇に指を当てて



『だーめ。早く出なきゃ愛佳のお母さんきちゃうよ』



そういえば、「あーもう、半殺しだよ…」と眉毛を下げる愛佳。


半殺しかぁ。
でもさ、今日泊まっていくんだよ?私。
部屋にいったら、もうお母さんはこないでしょ?

そう思ったけど、愛佳が調子乗ったら困るから、声には出さず、愛佳に軽くキスをした。
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