1st(第6〜7部)

□第七部(74〜75章)
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第七部『第七十四章』





「なーんだ、あの金髪の男の子って、お兄さんだったんですね。」


城を出て一週間が経ち、『東の国 ロナン国』へ向かっている途中、お兄さんからいろいろ話を聞いて、いろいろと驚く事があった。
お兄さんは日光に当たり過ぎると肌が焼けてしまうので、黒ひょうに変身して、毛で日光から肌を守っていた事とか。
でも、一番驚いたのは、この間の前夜祭のダンスパーティーの時から、頻繁に私の前に現れた金髪の仮面で顔を隠した男の子は、お兄さんだったという事だった。


「おや、もしかしてガッカリしたかい??
そうだね、ミクアが望むなら、いっその事、そっちの姿(子供に変身して)で旅してもいいよ。
年の近い恋人みたいで、そそられるね。」

「えっと・・・・・・。」


私は顔を赤くした。
見た目は18歳のケント様とあまり変わらない年に見えるけど、お兄さんはケント様と違って、結構恥ずかしい事を言う。
思い出してみれば、『セルディア国』で会った時からそうだったかも・・・。
それに比べて、ここのところ、ケント様は無口だ。
元々、私が話しかけない限り、あまり口を開かないケント様が、ここ数日間は、どちらかと言えば、私よりもリリカさんと話している。
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