1st(第6〜7部)
□第六部(62〜64章)
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第六部『第六十二章』
「ミクア、その服は・・・??」
「あっ・・・リリカさんとお揃いで買ってもらったんです♪
ケント様が小さい姿になってしまっていた時に。」
私は以前、リリカさんに買ってもらった服を着てニッコリした。
リリカさんが選んだだけあって、私が持っている服の中では一番可愛かった。
リリカさんも色違いの私とお揃いの服を着ていた。
ケント様は納得した様に頷いた。
「準備はそれでいいのか??」
「私はこれで。
あの、リリカさんは??」
私はリリカさんを見た。
リリカさんも頷いたけれど、ケント様を見て目を細めた。
「ケント・・・まさか、それでダンスパーティーに出るって言うの??」
「当たり前です。」
ケント様は後ろへ一歩引いて言った。
リリカさんは「やれやれ」と首を振った。
「冗談じゃないわ。
ダンスパーティーでいつもの黒マントなんて呆れるわ。」
「オレはこれが・・・。」
「マリーゴールド!!」
ケント様の言葉を遮って、リリカさんが叫んだ。
あっと言う間にケント様の黒マントは、全く別の服に変わっていた。
服は『セルディア国』でケント様が着ていた・・・と言うよりは、着せられていた・・・のと同じ、青地に黄色の淵が入ったデザインだったけれど、マントではなかった。
まるで、何処かの王子様みたいな格好だった。
ケント様はとてもカッコイイからそれは良く似合っていたけれど、ケント様自身は怒った様にリリカさんを睨んでいた。
ケント様が呟いた。
「こんな格好・・・。」