1st(第1〜5部)

□第二部(18〜20章)
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『第二部 第十八章』





ライトさんはその謎めいた言葉を口に出すと、前を歩くケント様に聞こえていないか様子を見た。
ケント様はまた何か考え事をしているみたいで、全く聞こえていない様子だった。
私も声を小さくして尋ねた。


「私に知られたくない事??どうして??」

「だから、悪魔でもオレが考えただけだから。」

「ライトさんは何を思ったの??何を考えたの??」


ライトさんはしばらく迷っていたけれど、言葉の一つ一つを選ぶ様に言った。


「オレが・・・思った事は・・・全部は言えないけど・・・。
ただ・・・まぁ・・・そいつ(ムー)の会いたい人とケント様が用事があるって人は・・・繋がりとかがありそうな・・・気がする。
・・・っていうか・・・もしかしたら同一人物だったりして。」

「まさか・・・。」


私は笑った。
だけど次の瞬間、ムーと出会った日の事を思い出した。
ムーが『セルディア国』で竜巻があった事、『シオン様』っていうご主人様がいたっていう事を話した時、確かケント様はすごく驚いていた。
竜巻についてしか言ってなかったけど、本当はライトさんの言う通り『シオン様』っていう人についても知っていたのかも。
いつもいつも大切な事を教えてくれないのは本当に私に知られたくないから??
じゃぁどうして。
やっぱりライトさんの考えはちょっと違うよ。
多分。
だってそう考えなきゃ・・・。
でも・・・。
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