1st(第1〜5部)

□第二部(16〜17章)
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第二部『第十六章』





数が多い??
私は思わず顔を上げ、振り返った。
私は息を飲んだ。


「な・・・何これ!?」


ライトさんが構えるピストルの数十m先には黒い人の影の様な物がずらりと並んでいた。


「人・・・??」

「なんなんだぁこれぇ!!」


ムーも唖然としている私の腕の中から這い出てきて叫んだ。
ライトさんが言った。


「これは人じゃなくて・・・多分人形みたいだ。
ケント様が言ってたのはこれだな。」

「ケ・・・ケント様は??」


ライトさんはだんだん近づいて来る影を睨みつけると私の手をとった。


「ケント様、捜そう。」


私は頷いて立ち上がった。
ムーを捕まえると私とライトさんは全速力でケント様が走って行った方向へ向かった。
ムーが尋ねた。


「さっき、にんぎょうっていってたよねぇ??」

「あ・・・うん。
誰かに・・・操られてる・・・みたいだった・・・。」


ライトさんが息を切らしながら答えた。
私は足の速いライトさんについて行くのが精一杯で、話を聞く事しか出来なかった。
ムーが言った。


「あいつら、だんだんだけどついてきてるよぉ!!」

「ケント様は一体何処に・・・いるんだろう・・・!!」


あの黒い影は一体・・・。
人形って誰が操っているって言うの??
ケント様は何処なの??
まさか、あの人形に・・・。
ケント様に限ってそんな事は・・・!!


「・・・囲まれた・・・。」
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