1st(第1〜5部)

□第二部(12〜13章)
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第二部『第十二章』





「私が??」


私は驚いて尋ねた。
シュンさんは頷いた。


「君と・・・ミクアさんと話したいんだ。」

「あなたと??」


私はケント様をちらりと見た。
まだ寝てる・・・ムーも。
私は言った。


「少しなら。何処で??」


シュンさんは笑った。


「何処でもいいよ。
ちょっと話してくれるだけでいいから。」


シュンさんは私の手を掴んだ。
私は頷くと部屋から出た。





「ミクアさんは、何処から来たの??」

「私は『南の国 セイルダ国』から。此処へは初めてなの。」

「あの男の子は??」

「あの人は・・・。」


私は口をつぐんだ。
そういえば前にケント様が子供の姿になっているという事を言っちゃいけないって言われてたっけ。
私は嘘をついた。


「えっと、あの人は私のお兄・・・さん。
私達は『東の国 ロナン国』へ行くの。」


シュンさんは複雑な表情をした。


「じゃぁ、此処にはあまり長くはいられないんだね??」

「多分。どうして??」


シュンさんは私をじっと見た。
あれ・・・どうしたんだろう??
シュンさんが言った。


「そのさ・・・。
オレ、ミクアさんを初めて見て・・・すごく、すごく可愛いって・・・思ったんだ。」

「可愛い・・・??」
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