1st(第1〜5部)

□第一部(9〜11章)
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第一部『第九章』





「ふ〜ん。ミクアかぁ。
で、そっちのなまえはなんていうのぉ??」


ムーはまたケント様を見た。
ケント様は顔をしかめた。
代わりに私が答えた。


「その人は、ケント様。
今は子供の姿をしているけど本当は18歳。」


ムーは私の頭の上に乗った。


「ほんとうに『そいつ』がケントさまってやつなのかぁ??
ケントさまってあの『きゅうせいしゅ』だろぉ??」


ケント様が反応した。


「なぜその事を・・・??」

「だってなぁ。
ムーがたまごのなかにいるとき、ごしゅじんさまがいってたのを、きいたことがあるんだよぉ。」


ご主人様??
一体誰の事・・・??
お母さんとは違うの??
ケント様が尋ねた。


「そのご主人様って誰なんだ??」

「みたことないよぉ。
ムーはたまごだったからぁ。
でも、おんなのこだったぁ。
かわいいこえのだよぉ。」


ムーは私の頭の上で翼を動かした。
ちょっと冷たい風が来て私は目を瞑った。
私は尋ねた。


「それは何処の誰だったの??やっぱり魔法界の住人??」

「そぉ。
でも、こえだけだったからぁ、どこにすんでいるのかはわからないよぉ。
でもねぇ、なまえは『シオンさま』っていうんだってぇ。
ムーはシオンさまにあいたいんだぁ。
にねんまえにねぇ、たつまきではなればなれになっちゃったんだぁ。」

「シオンだと??二年前の竜巻??」


ケント様が驚いた顔をした。
え・・・何??
どうしたんです??ケント様・・・。


「ケント様??何か知っているんですか??」

「ん。いや・・・。」


絶対嘘だ・・・。
ケント様は何か知っている。
また私に話してくれないの??
私がケント様を見上げたため、ムーは私の頭からずり落ちた。


「ミクア〜。なにするんだよぉ。
ケントさまはなにかしってるのぉ??
シオンさまのことについてぇ。」


ケント様は首を横に振った。
ムーは残念そうにすると、また私の頭の上に乗った。
ケント様が口を開いた。


「ただ・・・。その・・・二年前の竜巻ってのは、『モロクの里』での戦いの少し後に起こったあいつに関する事件。」

「事件・・・??
もしかして、その竜巻を起こしたのがあの人って事ですか??」


ケント様は頷いた。


「そしてその竜巻が襲った国の名は・・・オレとミクアがこれから行く・・・『北北東の国 セルディア国』だ。」

「ってことはぁ、ムーのごしゅじんさまがいるのもぉ、その『セルディアこく』ってことだぁw
ムーもそこへいくぅ!!」


そっかぁ・・・竜巻が襲った場所に住んでいたムーのご主人様は『セルディア国』にいるって事になる・・・。
それにしても本当にケント様はムーのご主人様『シオン様』を知らないのかな・・。
ケント様が東の方に行く前にわざわざ『セルディア国』に行く理由はある人物を探すため・・・。
その人物って一体誰なの??
ケント様は「その様な者だ」って言っていたからはっきり魔法界の住人とは言わなかったし。
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