1st(第6〜7部)
□第七部(86章+エンディング)
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第七部『第八十六章』
「それとさ・・・君・・・ホルンってバンパイア??」
突然、クルリとティアンがお兄さんの方を向いた。
お兄さんは真っ赤な目を見開いた。
「・・・・・・そうだよ。」
「今はもう暗くなっちゃってるから外に出ても平気だけど、明日の朝、どうするの??
きっと明日からまた、日が差すよ。
日食は終わりだよ??」
そっか・・・黒魔道士は死んじゃったから・・・。
日食はもう、終わりなんだ・・・。
私はお兄さんを見た。
「お兄さん・・・・・・。」
「これは、『星のしずく』と関係なく、僕の善意からだけど。」
ティアンはそう言うと、お兄さんの前に立った。
「ホルンが昼間に外に出ても、大丈夫な体にしてあげようか。」
「オレを・・・??」
お兄さんは驚いたように、額に片手を当てた。
「そんな事、出来るのかい??」
「出来るよ。対価も必要だけど。
それに、吸血はしなくちゃいけないし。」
ティアンは微笑んだ。
「どうする??」
「対価っていうのは、何だい??」
お兄さんが尋ねた。
ティアンは言った。
「ホルンが使える、バンパイアの魔法。」