1st(第6〜7部)

□第七部(86章+エンディング)
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第七部『第八十六章』





「うん、そうだよ。
僕はティアン。
『星のしずく』の番人だよ。」


あれ・・・??
女の子なのに、名前がティアン・・・??
私は尋ねた。


「ティアンって・・・女の子・・・??」

「失礼だなぁ。僕は男の子だよ。
ほら、ズボンもはいてる。


ティアンは怒ったように言うと、スカートの裾を上げた。
確かに、白いスカートの下には若草色の半ズボンをはいている。
ティアンは私を見上げた。


「まぁ、いいや。
ミクアは僕を狭い所から助け出してくれたもんね。
僕はミクアのこと、気に入ってるんだ。」

「『星のしずく』に番人なんかいたかしら・・・??」


リリカさんが考え込んだ。
ティアンは首を傾げた。


「分からない。
ただ、僕は気づいた時、『星のしずく』の中にいたんだ。
覚えているのは、自分の名前と、『星のしずく』を揃えた者の願いを叶えてあげるっていう使命だけ。」

「なるほど。」


お兄さんはサラサラした金色の前髪をかき上げた。


「じゃあ、君がミクアの願いを叶えてくれるってわけだ。」

「そうだよ。」


ティアンはニッコリ笑った。


「ミクアは僕に何を叶えて欲しいの??」
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