1st（第6〜7部）
□第七部（８６章＋エンディング）
2ﾍﾟｰｼﾞ/13ﾍﾟｰｼﾞ
第七部『第八十六章』
「決定よ。」
リリカさんは笑うと、私の手の中に、四つの『星のしずく』を落とした。
「ミクア。」
名前を呼ばれて、私はお兄さんを見た。
お兄さんは跪くと、私に下を向くように指示した。
「ほら・・・最後の一つだ。」
私の首から『星のしずく』のペンダントを外して、お兄さんは微笑んだ。
私は最後の一つを受け取った。
これで・・・・・・どうすれば良いんだろう？？
「ミクア、光ってるぞ。」
「うわっ！！？？」
ケント様に言われて、私は思わず『星のしずく』を手放した。
五つの宝石はだんだんと光が強くなっていく。
「ま・・・まだ、願い事も言ってないのにねぇ。」
リリカさんが眉をひそめた。
「何なのかしら・・・？？」
いきなり、【ポン】と音がして、『星のしずく』から真っ白な煙が出てきた。
そして、その中から小さな子供が現れた。
銀色の少し癖のある髪に、大きな薄紫色の目。
真っ白なスカートを着ていて、背中には真っ白な翼が生えていた。
「こんにちは・・・じゃなくて、こんばんはかなぁ。」
キレイな顔立ちの女の子はクスクス笑った。
この声・・・聞いたことある。
そう・・・ワイジェロに襲われそうになった時、頭の中で聞こえた声だ。
私は女の子を見た。
「あなたが私を助けてくれたの？？」