1st(第6〜7部)
□第七部(86章+エンディング)
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第七部『第八十六章』
私は大きく深呼吸した。
ケント様も、リリカさんも、お兄さんも、みんなが私を見ていた。
私は叫んだ。
「『東の国 ロナン国』と『東南東の国 ストア国』の戦争を、やめさせてください!!」
「おまかせあれ。」
ティアンはニッコリすると、大きな背中の翼を広げた。
両手も目一杯広げて、銀髪の小さな天使は言った。
「僕の名において、この者の願いを叶えたまえ。」
「あっ・・・!?」
七色の光が私の体を取り巻いて、そして、散って行った。
キレイ・・・!!
色とりどりの花びらが散っていく様な感覚に、私達は言葉を失った。
「見ててごらん。」
ティアンは近くにあった机の所へ飛んで行き、置かれてあった水晶玉を持って戻って来た。
「戦場にいる人達の様子だよ。」
私達は水晶玉を覗き込んだ。
確かに・・・紺色の地に赤い縁取りの入った軍服は『ロナン国』の、黒色の地に黄色の縁取りの入った軍服は『ストア国』の軍隊の人々だ。
全員若い男の人で、皆険しい表情でピストルや矢を握りしめていた。
「見て、これから僕の力が働くよ。」
嬉しそうにティアンは言うと、水晶玉を指差した。
「わあ・・・・・・!!!」
水晶玉の中の世界に、先ほどの七色の光が差し込んだ。
人々は最初、呆気にとられて光を見つめていて、やがて、手にしていた武器を落としていった。
七色の光の強さはどんどん大きくなり、人々の険しい表情は、だんだん笑顔へと変わっていった。
「ステキ・・・・・・。」
異なる軍服を着た男の人達が握手を交わす様子を見て、私は呟いた。