1st(第6〜7部)

□第七部(76〜77章)
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第七部『第七十六章』





「キャアァァァァァァァッ!!!!!!!」


私が掴んでいた物は、骸骨の手だった。
いや、もしかしたら足だったのかもしれない。
とりあえず、骨だと分かった瞬間、私はありったけの力をこめて、突き飛ばした。
だけど、骸骨は私の目の前から離れなかった。
私はすぐに気が付いた。
私の体はこれ以上、上へ浮いて行かない。
つまり、此処が頂点。
頂点へ着いたら、そこで死ぬ。
此処にある骸骨は、元は私みたいに『空中バイク』を離れてしまった人なんだ。
いや・・・この骸骨以外にも、もっと沢山あるはず。
もしかしたら、私の周りには骸骨でいっぱいなのかもしれない。


「ミクアッ・・・!!!!」


幻聴が聞こえて来た。
優しい、ケント様の声。
もう聞く事の出来ない声。
そういえば、さっきから何だか息苦しい。
もしかしたら、上へ行くに連れ、空気が薄くなっているのかもしれない。


「ミクアッ・・・!!!!」


さっきよりも近くでケント様の声がした。
何処にいるの・・・??
私はぼんやりとした頭で宙を仰ぎ、気を失った。
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