1st(第6〜7部)

□第六部(72〜73章)
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第六部『第七十二章』





「ケント!!!!!!!」


リリカの叫び声と共に、ケントの背後で【シュッ】という風の切る様な音がした。
ケントは飛び退くと、短剣を構えながら叫んだ。


「手を出さないで下さいっ!!!!」


リリカとルーストは頷くと、脇へ避けた。
ケントの目の前に、大きな鎌を持った小さな人物が立っていた。


「「「ミクアっ・・・!!??」」」


顔を上げた人物を見て、ケントもリリカもルーストも驚愕した。
頭には白い飾り、髪には揃いの白いリボン、黒いブラウスにスカート、その上には白いエプロン。
そして、小さな細い体に似合わない大きな鎌を両手で握り締めていたのは、紛れもない、ミクアだった。


「一体どうしたんだ、ミクア・・・!?」


ルーストは体を前に乗り出して、全く反応をしないミクアに呼びかけた。


「そんな物持ってたら、怪我する・・・!!!!」

「待って、ミクアちゃん・・・何か変だわ。」


リリカが首を横に振って、ルーストを制止した。


「様子が変よ。
そもそも、ミクアちゃんがケントに向かって切りかかる訳、無いでしょう。」
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