1st(第6〜7部)
□第六部(72〜73章)
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第六部『第七十二章』![](http://id34.fm-p.jp/data/5/starsdrops/pub/31.gif)
「ミクアを返せ!!」
ルーストを押しのけて、ケントは前に出た。
レイストは目を細めて、玉座から、三人の侵入者を見つめた。
「随分と遅かったな・・・。
余は、待ちくたびれた。」
「待ちくたびれたですって・・・??」
魔法ステッキを構えながら、リリカは眉をひそめた。
レイストは笑った。
「そうだ。
夜はお前達が脱走したのを知っていたのだ。
いい事を教えてやろう・・・、指輪の力は余が操ってるのはもう知ってるな??
だが、これは知らなかっただろう。
指輪が外されると、余に自動的に伝わるんだ。
つまり、リリカや牢番の娘については、指輪が外された時点で、余は分かっていたんだ。」
「チェイリー・・・。」
ケントが呻いた。
レイストは玉座でふんぞり返った。
「きっと今頃は、牢番の娘も捕まっているはずだ。
さて、今度は余からの質問だ。
リリカと一緒にいるお前達は誰だ??」
「オレはルースト。ミクアを愛する兄だよ。」
ルーストが微笑んだ。
ケントも口を開いた。
「オレは・・・ここ何日間か牢屋に入れられていた者だ。」
「牢屋に・・・。
あぁ、ケントという少年か。
しかし、何故、姿が異なっている??
強く見せたいのか??」
バカにする様にレイストはケントに言った。
ケントは無視すると、王室を見回した。
「・・・・・・ミクアは何処にいる??」