1st(第6〜7部)

□第六部(72〜73章)
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第六部『第七十二章』





「ミクアを返せ!!」


ルーストを押しのけて、ケントは前に出た。
レイストは目を細めて、玉座から、三人の侵入者を見つめた。


「随分と遅かったな・・・。
余は、待ちくたびれた。」

「待ちくたびれたですって・・・??」


魔法ステッキを構えながら、リリカは眉をひそめた。
レイストは笑った。


「そうだ。
夜はお前達が脱走したのを知っていたのだ。
いい事を教えてやろう・・・、指輪の力は余が操ってるのはもう知ってるな??
だが、これは知らなかっただろう。
指輪が外されると、余に自動的に伝わるんだ。
つまり、リリカや牢番の娘については、指輪が外された時点で、余は分かっていたんだ。」

「チェイリー・・・。」


ケントが呻いた。
レイストは玉座でふんぞり返った。


「きっと今頃は、牢番の娘も捕まっているはずだ。
さて、今度は余からの質問だ。
リリカと一緒にいるお前達は誰だ??」

「オレはルースト。ミクアを愛する兄だよ。」


ルーストが微笑んだ。
ケントも口を開いた。


「オレは・・・ここ何日間か牢屋に入れられていた者だ。」

「牢屋に・・・。
あぁ、ケントという少年か。
しかし、何故、姿が異なっている??
強く見せたいのか??」


バカにする様にレイストはケントに言った。
ケントは無視すると、王室を見回した。


「・・・・・・ミクアは何処にいる??」
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