1st(第6〜7部)

□第六部(72〜73章)
3ページ/19ページ

第六部『第七十二章』





「・・・・・・指輪を外します。」


ケントは早口で言うと、跪いてリリカの指輪を取った。
顔色の悪かったリリカに、血の気が戻って来た。


「あら、いい感じねぇ。
で、ミクアちゃんは??ミクアちゃんも指輪をはめられているのよ。」


リリカはそう言うと、ベッドから下りて、真っ赤になった。


「こっ・・・この服、よく見たら・・・!!」


リリカの格好は、ミクアと同じ様に、頭には白い飾り、黒いブラウスにスカート、白いエプロンという物だった。


「私に『メイド服』なんか着せて・・・あのレイスト国王・・・!!」

「あぁ、それならミクアもそうでした。」


ルーストは金色の前髪を撫で付けながら、リリカに言った。
そして、ちらりと真っ青になったケントを見た。


「でも、意外とよく似合っていたよ。」

「もしかして、ミクアちゃん、レイスト国王の所にいるの??
それは困ったわ。」


リリカが顔をしかめた。
そして、首飾りの魔法石から、魔法ステッキを出すと、服を着替えた。


「行きましょう。
ケント、ミクアちゃんを助け出さないと。」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ