1st(第6〜7部)

□第六部(60〜61章)
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第六部『第六十章』





「っ痛〜!!」


私は苦痛の声を漏らすと起き上がった。
私・・・どうしたんだっけ・・・。
っていうか、此処は何処!?
私はすぐ近くで目を見開いている子どもの姿のケント様とリリカさんを見つけた。


「ミクアちゃん・・・とうとう戻っちゃったのねぇ・・・。」


リリカさんが呟いた。
戻っちゃった・・・??
・・・そっか!!きっと、私はケント様やリリカさんみたいに呪いで子供になっちゃってたんだ!!


「痛・・・。」


私はズキッとした片膝を見下ろした。
かさぶたがあったらしく、それが剥がれて血が出ていた。


「あ〜あ・・・。」


私がため息をつくと同時に、私の手に何かフワフワしたものが当たった。
何・・・??
私が見下ろすと、小さな真っ黒のひょうがそこにいた。
ひょうは不思議な真っ赤な瞳で私を見上げていた。


「可愛い・・・!!」


私が思わず言うと、ひょうは私の怪我した膝を舐め始めた。
リリカさんが私の所へやって来た。


「やっと呪いが解けたわねぇ、ミクアちゃん。
ミクアちゃんが子供の姿・・・あー、今も子供だったわねぇ・・・。
まぁ、ミクアちゃんが呪いにかかっている間に『ライダス国』を出て、『レイスト国』へ来たのよ。
『ロナン国』までは、もう残りわずかだわ。」
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