1st(第1〜5部)

□第一部(7〜8章)
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第一部『第七章』





私は顔を赤くして頷いた。
ケント様は私がユイさんに教えてもらった事・・・お見通しだったんだ・・・。
ケント様は言った。


「二年前・・・今もだけど・・・この世には『星のしずく』が五つあった。
五つ持っていれば何でも願い事が叶うと言われていた。
ある人は・・・この世を支配する事を夢見ていた。
そのために『星のしずく』を五つ集めようとしたんだ。
あいつは既に三つの『星のしずく』を手に入れる事に成功した。
それで残り二つのうち、一つは行方が分からないという事を知った。
しかし、もう一つの『星のしずく』は・・・最も新しいやつだったが・・・この里にあったんだ。
あいつが残ったもう一つの『星のしずく』もじき見つけて、世界を支配してしまうという事を里の住人は知っていた。
あいつが来た時、里の住人の全員が力を合わせて『星のしずく』を守ろうとした。
でもあいつは強かった。
里の住人のほとんどは人間だった。
あいつは里の住人の半分以上を殺して『星のしずく』を奪おうとした。」


ケント様が一息ついた。
私が代わりに言った。


「それで・・・それで、その時ケント様が里に来たんですね??」


ケント様は小さく頷いた。


「オレはギリギリのところで駆けつけた。
オレはあいつと何時間も剣でやり合った。
そしてオレは此処まであいつを追い詰めた。
あいつは・・・消えたんだ。
『星のしずく』の事はいったん諦めて。」


私は尋ねた。


「その・・・『星のしずく』はなぜ今私が持っているのでしょう??」

「ん、あいつが消えてから里の住人は喜んだ。
しかし、また近いうちに里に来るだろうと考えた。
里長は「また里に来て『星のしずく』を奪う前に」と言ってオレに『星のしずく』を渡したんだ。」


ケント様は歩き出した。
あの『ムーンライト・グラス(月光草)』が沢山生えている方へ・・・。
それにしても、なぜケント様が私にくれたのかが今のケント様の答えじゃ分からなかった。
私はもう一度尋ね、ケント様は答えた。


「それは・・・今は言えない。
時が来たら・・・だ。」
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