1st(第6〜7部)
□第七部(86章+エンディング)
1ページ/13ページ
第七部『第八十六章』![](http://id34.fm-p.jp/data/5/starsdrops/pub/12.gif)
「ケント、これどうするの??」
随分と時間が経った。
リリカさんの言葉で、私とケント様は立ち上がった。
「『星のしずく』・・・。」
リリカさんが差し出して来た両手の中には、キラキラと光る空の様な色の宝石が四つあった。
そう、黒魔道士が集めた、現存する五つの『星のしずく』の中の・・・・・・。
そして、最後の一つはこの私が首からかけている。
「これが全ての原因だったんだね。」
お兄さんはそう言うと、私の首にかかっているペンダントに触れた。
「何でも願いが叶うって言われているんだっけ。
そして、願いを叶えたら、また『星のしずく』はバラバラに世界に散るそうだよ。」
お兄さんは微笑んだ。
「ミクアが願い事をすれば良い。」
「え・・・・・・??」
私は驚いて、ケント様とリリカさんを見比べた。
二人とも、反対しなかった。
「お兄ちゃん、願い事しなくても良いの??
お兄ちゃんが『星のしずく』を守ったのに。」
私はケント様を見上げた。
「願い事、何でも叶えられるって・・・。」
「ミクアが呼んでくれなかったら・・・多分、オレは悪夢に耐えられなくて、死んでた。」
ケント様は言った。
「オレを助けてくれたのはミクアだ。」