1st(第6〜7部)

□第六部(60〜61章)
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第六部『第六十章』





「動物さん、そんなに私にょ顔、ペロペロしないでよー!!」


ミクアは声を上げた。
ミクアが小さな黒ひょうを拾ってから、早くも三日が経った朝、ミクアはひょうに顔を舐められ、キャッキャッと笑っていた。
ケントは部屋のベッドの上で腕を組んでその様子を睨んでいた。リリカはその様子を見て、ケントを見下ろした。


「ケント、顔が怖いわ。」


ケントはリリカを見上げた。
リリカは苦笑してミクアとひょうを見た。


「・・・にしても、思った以上にミクアちゃんったら動物に夢中ねぇ。
ケント、困ってるでしょ。」

「・・・それよりも、あのひょう、何か変ですよ。」


ケントはしかめっ面のまま、リリカに言った。


「利口過ぎませんか??」

「そうねぇ・・・。」


リリカは頷いた。
確かにケントの言う通り、ひょうはかなり利口だった。
人の言っている事が分かるらしく、ミクアの言う事には特に反応していた。
ミクアはそれに大喜びでひょうを可愛がっていた。
リリカは笑った。


「そうだけど・・・動物にだって知能はあるわ。
あのひょうは、少しずば抜けてるだけよ。」


ケントは口を開きかけたがリリカに制止された。


「本当に心配性過ぎよ。
行きましょう、もうすぐでこの国の中心部へ着くわ。
明日には確実ねぇ。」


リリカはそう言うと、ミクアを呼んだ。


「此処を出るわ。用意は出来ているかしら??」
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