1st(第6〜7部)
□第六部(60〜61章)
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第六部『第六十章』![](http://id34.fm-p.jp/data/5/starsdrops/pub/31.gif)
「動物さん、そんなに私にょ顔、ペロペロしないでよー!!」
ミクアは声を上げた。
ミクアが小さな黒ひょうを拾ってから、早くも三日が経った朝、ミクアはひょうに顔を舐められ、キャッキャッと笑っていた。
ケントは部屋のベッドの上で腕を組んでその様子を睨んでいた。リリカはその様子を見て、ケントを見下ろした。
「ケント、顔が怖いわ。」
ケントはリリカを見上げた。
リリカは苦笑してミクアとひょうを見た。
「・・・にしても、思った以上にミクアちゃんったら動物に夢中ねぇ。
ケント、困ってるでしょ。」
「・・・それよりも、あのひょう、何か変ですよ。」
ケントはしかめっ面のまま、リリカに言った。
「利口過ぎませんか??」
「そうねぇ・・・。」
リリカは頷いた。
確かにケントの言う通り、ひょうはかなり利口だった。
人の言っている事が分かるらしく、ミクアの言う事には特に反応していた。
ミクアはそれに大喜びでひょうを可愛がっていた。
リリカは笑った。
「そうだけど・・・動物にだって知能はあるわ。
あのひょうは、少しずば抜けてるだけよ。」
ケントは口を開きかけたがリリカに制止された。
「本当に心配性過ぎよ。
行きましょう、もうすぐでこの国の中心部へ着くわ。
明日には確実ねぇ。」
リリカはそう言うと、ミクアを呼んだ。
「此処を出るわ。用意は出来ているかしら??」