REBORN
□過去拍手
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手を伸ばして、手を引っ込めて、その手は結局体の横でぎゅっと握られた。
握りたくても握れない、そんな権利自分にはない。
あくまで彼女にとって自分は“友達”なんだ、としつこく言い聞かせた。
「ジロー、どうしたの?」
「んー?なんもないよ?」
「そっか。ならいいや」
その声も、その笑顔も、そのきれいな髪も、全部俺のものにはならない。
でも、この“友達”という枠は俺が何か間違いを起こさない限り、ずっと壊れな
いだろう。
なら、ずっとこの枠にいよう。
この独占欲を彼女に押しつけるわけにはいかない。
ずっと、ずっっと俺の中にしまっておこう。
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