ユメヲミル

□気持ち気持ち@
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え?!ナナシと、僕が映画!?

僕は手紙と、ナナシの後ろ姿を交互に見た。
彼女は何事もなかったかの様に板書をしている。

ふと隣の席に視線を向けるとライナーとばっちり目があった。

そうだ。この手紙の返事を書かなくちゃ!

僕は昨日買ったばかりのノートの端を少し破り、

『もちろん!一緒に行こう』と書いて、二つに折って、彼女の可愛い名前を書き、ライナーに手渡した。

そして、ライナーは、ナナシの肩を人差し指で叩き、ナナシが僕からの手紙を受け取る。

ナナシは一度紙に視線を落としてから、僕の方を見てニッコリと微笑んだ。

僕もそれに返事をするかの様に微笑む。
可愛い。
なんて可愛いんだ。

ライナーがクリスタを想う気持ちが今ならよくわかる。
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