ユメヲミル
□アイネクライネ
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「べ!ベルトルト?!ど!どうしたの?!急に!?!?」
ナナシは慌てふためいて、上半身を起こし僕の背中をさすり、顔を覗き込む。
「ね。どうして泣いてるの?ベルトルト?私が変な事言っちゃったから?‥もしそうならごめんね」
ごめんね。と謝るナナシ。
違うんだ。
違うんだよナナシ。
そうやって謝らないでおくれ。
僕はナナシのくびれに抱きつく。
「ちょっ!べ!ベルトルト?!」
驚くナナシに構わず僕は彼女の細すぎるくびれに顔を埋める。
そして、こう思った。
いつか来る別れを指折り数えて君の笑顔を見るくらいなら、僕は石ころにでもなりたい。