さよならの花束を君に (完)

□黒猫
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ダメだ・・・・・暑すぎる・・・・・。祓魔師だとバレた私は、正式に正十字騎士団日本支部の監察官として所属し、今はバイトに明け暮れている。

希望者の候補生を募り、下級の中でもさらに下級の悪魔の巣に聖水を撒いたり、掃除をして綺麗にしたりの雑用をしていた。来たのは出雲ちゃん、志摩くん、勝呂くん、三輪くんであった。

「坊が行く言うから来たんやけど、なんや責任者って零ちゃんやったんか!」
「理事長のパシリでね、まぁゆるーっとやろうか。」

暑いから水分補給はこまめにねと念押しして、街中の路地を歩き回る。湧き層になりそうなところは重点的に警戒した。

「・・・・・ちょっと、気になってたんだけどあんた下着着てないの?」
「えっ?・・・・・いやぁ、じゃまだからサラシでいいかな?って・・・・・ダメ?」

ダメに決まってるじゃない!明らかに私服でサラシは不自然よと怒られ、今日下着屋に行って買ってこいと言われてしまった。ちゃんと測ってもらってね!ときつく言われたため、早々に任務を切り上げて向かうことになった。

「あー!猫だ!」
「三輪くんは猫好きなんだね・・・・・」

陽のあたる路地裏でうたた寝をしている猫を撫で始め、ここで少し休憩しようとした時

「うわっ!?なんや地震か?」
「ちゃうわ、なんか倒れたんか?」

大型のものが激しくぶつかり合うような轟音がして、地響きが起こる。それと同時に騎士団から支給された携帯に着信が入る。

「はい、安倍です。・・・・・はい、分かりました。すぐに向かいます。

南門の黒猫(ケットシー)が巨大化して暴れているみたい。私は呼ばれたから行かないといけないんだけど、みんなはどうする?」
「どうする言うても・・・・・坊どないします?」

見学できるならしたいという出雲ちゃんに続いて三輪くんも勝呂くんも来るとのことで、結局志摩くんも来ることになった。で、現在自転車の2人乗り(法律違反である)で現場まで向かっている。

「自転車に乗ったことないって聞いたことないわ!」
「勝呂くんごめんね!」

勝呂くんの後ろに私、志摩くんの後ろに出雲ちゃん、そして三輪くん1人の計3台で走る。振り落とされないように、勝呂くんの背中にしがみつくがそれすらもドキドキしてしまって自転車に乗れなくて良かったと思っていた。

「着いたー!って雪男も呼び出し?」
「えぇ、まぁ。随分と大勢で来ましたね。」

別任務の途中だったと説明し、警備の祓魔師に免許を見せて中に入った。
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