さよならの花束を君に (完)

□正十字学園でバイト!?
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ガラガラとスーツケースを引きずりながら、私はここ北の大地北海道に来ていた。なんで北海道?と思ったよね。私もそう思うんだけど、いわゆる「おつかい」として遥々飛行機に乗って来たわけ。

私の上司でもあるメフィスト・フェレスから「北海道でおいしいものを買ってきてください☆あとついでにこれも。」と、ぶっちゃけるとついでが本題な祓魔師バイトなわけだ。北海道の祓魔師にやらせればいいのに、気分だけでも修学旅行を、という計らいなのは察した。渡されたおつかいメモには、有名な観光名所のグッズやお菓子、さらには夜景の写真など観光してこいと言わんばかりなのだから。

「あとは・・・・・旭山動物園であざらしの写真とキーホルダーかぁ・・・・・。」

なかなかメルヘンである。お揃いにでもしようかと考えながらバスに乗り込むと窓の外を見た。関東では春らしくなってきたというのに、こっちはまだコートが手放せない気温である。マフラーに埋もれるように厚着をした子どもを見ていると、自然に笑顔になる。
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