長い夢の旅路へ

□初地球
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血盟城の魔王専用湯殿より

有利、村田、ヴォルフラム、ザーラ

が地球の渋谷家へと移動を行った。

「「「「ぷはあぁぁ」」」」

湯船から上がるとユーリはちょっと待って

と浴室を出ようと扉を開けたときパタパタ

と足音が聞こえてきた。

有利は慌てて人数分のバスタオルを取り出

しタオルを配る。

「お帰り♪有ちゃん、健ちゃん」

脱衣場の扉が開かれると白のエプロンを

身に付けたブラウンヘアーの女性が立って

いた。

ビショビショに濡れた服をどうしようかと

思いながら束ねていた髪をほどき髪の毛を

拭いていた。

「あらっヴォルちゃん、いらっしゃい♪」

「ジェニファー母上、お元気そうで」

「ヴォルちゃんも♪あらっ その女の子

は?」

「ユーリ、誰?」

バスタオルで髪の毛を拭きユーリの後ろに

立つとまだ濡れたままの学ランを着ている

ユーリの袖を引っ張り前に笑顔のまま立っ

ている女性を見つめる。

「あぁと…えっーと……」

「渋谷ユーリ、フォンビーレフェルト ヴォ

ルフラムの娘のザーラと申します」

有利はどう説明したらよいか口ごもってい

るとタオルを手に持ち一歩前に出、女性の

前に立つとると頭を下げる。

「えっ……有ちゃんとヴォルちゃんの??」

驚いているのか瞬きを三連続し黙ったまま

ザーラを見ていたが瞳をキラキラと

輝かせ胸の前で手を組みお祈りポーズで

嬉しそうに口を開く。

「ザーラ、可愛い♪待望の女の子

有ちゃんとヴォルちゃんの娘ってことは

魔族??」

「一応、魔族です」

「一応ではないぞ。ザーラは正真正

銘、純血魔族だ」

「羽は?羽は生えてるの?」

「羽?羽は生えてないです」

「お袋」

「やぁね。冗談よ冗談 あっ着替え着替え」

有利の母親、ジェニファーこと美子は

人数分の着替えを用意するため脱衣場を出

ていく。

「あの人、ユーリの母上??」

「そうなんだ。さっ、ちゃんと髪の毛拭い

ておかないと風邪引くぞ」

自分が持っていたタオルをザーラの

頭に被せるユーリ。

それを見ていたヴォルフラムは『そうだ

ぞ』と頭に手を伸ばしタオルで

ザーラの髪の毛を拭く。

「自分で拭くからいいよ。有難うヴォルフ

ラム」

「あぁ」

髪の毛を拭いていたが濡れている服が濡れ

てるのが気持ち悪くてたまらんと 一度 服を

脱ごうと思い出てきた浴室の扉を開ける。

「覗かないでよ」

一言そう言うと扉をしめる。

「覗くなと言われれば覗きたくなるのが

男なんだよね」
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