私に夢を見せる人

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夕暮れになり昆奈門はある事に困っていた

そう澪が遊び疲れて伏木蔵、伊作と共に寝てしまったのだ

「さて、どうしたものか」

「おいて行けばいいだろう」

「おやおや仙蔵君
それは難しい選択だねっと言いたい所だけど本当は今日はそのつもりできたんだ」

「どうゆう事だ?」

「ちょっとこれからしばらく仕事が続きそうでね
かまってもあげれないし城も安全とは言えないからね
澪ちゃんをここに置いて行こうと思ってたんだよ」

「またそんな勝手な事を
学園長先生の許可がいるだろう」

「あぁそれなら貰ってるよ」

「行動が早いな」

「まぁね
それじゃあこの子を頼んだよ」

そう言うと昆奈門は寝ている澪を置いて忍術学園から去ってしまった

仙蔵はため息をつくと3人を起こす

「おい、お前達起きろ」

「あぁ仙蔵おはよう」

「先輩おはようですぅ」

「あぁおはよう
あれ昆さんわ?」

「帰ったよ」

「ええええええ!!?」

澪が慌てて出て行こうとすると仙蔵が襟首をつかみ止める

「まてまて
お前を置いて行ったんだよわざと」

「え、どうゆう事?」

「詳しくは分からないがこれからしばらく仕事が続くと言っていてな
かまってもやれんし城が安全とは限らないから安全な忍術学園にしばらくあずけると言っていた」

仙蔵の言葉に澪は拗ねたような寂しそうな顔をした

「あの人はいつもそうね…」

「お前が大事だからこそだろう」

「分かってるわよ
だけど嫁だのなんだのという割りに皆私を同じ場所には立たせてくれないのよ」

「…お前が大事だからこそだよきっと」

「分かってるわよ」

仙蔵はなんだか申し訳ない気持ちになる

「それより部屋をどうするか」

「それなら僕の部屋でどうだい?」

「伊作君の部屋?
いいの?」

「もちろん!!」

そして夜になり伊作の部屋にお世話になる澪だがなぜか伊作の部屋に6年生全員が揃っていた

「あの曲者は一体いつもどんな修行をしているんだ!?」

「あいつら武器の稽古はどうゆう風にやってるんだ」

「いつもはどんな生活をしているんだ?」

「色々と…気になる…」

「すまない、皆気になって押しかけてしまってな」

「ちょっと皆〜ここは僕と留三郎の部屋なんだよ!」

「お前等少しは静かにしろ!!」

澪は一気にくる質問に苦笑いをする

「あの人達の修行は見た事ないわねぇ
高坂さんと尊君はよく庭で組み手やってるけど
生活はここと変わりないわよ
いつも皆でわいわいやってるだけよ」

「「「な〜んだ〜」」」

皆予想していた答えと違う答えが返ってきてがっかりする

「ふふふ、ごめんね思った回答じゃなくて」

皆は大丈夫〜と言いながら縁側に出て酒を飲みだす

「あらあら子供なのにお酒なんて」

「子供ってもう15だぞ」

「酒も飲むさ」

「それよりあなたも一緒に飲もう!!」

澪は小平太に渡されたコップを持ち皆の隣に座る

「…私達はいつかあの曲者に勝てると思いますか?」

仙蔵がそう言うと6年生全員がまっすぐな目で澪を見る

「そうねぇ…
あなた達が大人になるにつれて昆さんはおじいちゃんになるのよ
いつかは勝てるわよ」

「そうだなぁ
私達も卒業をしたら本物の忍びになり実戦経験が増えるからな」

「そうだね、皆ここを卒業したら忍びになるんだもんね
だけど私みたいな大人から言わせてもらうといつまでも子供で居て欲しいと思うのよ」

「はははは!なんだか先生と同じ事を言っているな!」

「ふふふ、先生方も同じ事を思ってるわよ
皆にはいつまでもこの学園でずっと笑っていてほしい
元気に校庭を走る姿を見て笑っていたいのよ
だからあなた達はゆっくりと大人になりなさい」

澪はそう言うと持っていた酒を一気に飲み干す

「先に寝るわね
おやすみ」

「「「「おやすみなさ〜い」」」」

「なぁお前達」

「なんだ仙蔵」

「あの曲者があの人を連れ帰りに来てもすぐには渡さないでいようと思うんだが」

「「「「賛成」」」」
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