曲者と見た夢

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朝起き中庭では雑渡と絵里架が組み手をしておりその横では伏木蔵と陣内が包帯と薬の整理をしていた

「明日から学校なんだってね」

「はい、なのでこの組み手が終われば学園に帰ります」

「寂しくなるなぁ」

雑渡はそう言いながら絵里架の横顔に裏拳を入れようとするがそれを腕でガードする絵里架

「っ…
仕事ちゃんとしてくださいよ」

「分かってるよー」

「そういっていつも遊びに来てるでしょう」

絵里架が雑渡の顔目掛け拳を繰り出すが雑渡はそれを避け絵里架の腕をつかむとそのまま背負い投げをして抑え込む

「大丈夫だよ
はい、私の勝ち」

「…落とすときに痛くないように落としましたね」

「女の子だからねぇ
それに明日からまた忙しいのに今体痛めちゃだめでしょ」

雑渡の言葉に少し不満そうな顔をする絵里架だった

「手加減ばかりですね」

絵里架は雑渡を押しのけ立ち上がると服に着いた砂埃を払う

「そんな事はないさ
ここ数日で強くなったからね
油断できないよ」

「ご冗談を」

「本当だよ」

「はいはい
伏木蔵、帰ろうか」

「はぁ〜い!」

伏木蔵はきれいに巻いた包帯を箱の中に仕舞い絵里架の横に駆け寄る

「もう帰ってしまうのかい?」

「はい、陣内さん
お世話になりました」

絵里架が陣内に向け深くお辞儀をする

そんな所に諸泉と高坂がやってきた

「あ、よかった!
まだ居た!
これ朝ごはん包んでおいたから2人で食べてください!」

「こっちの袋には服を入れておいた
それとお菓子も入っているからいつでも食べなさい
またいつでも遊びに来るといい」

そういうと高坂は2人の頭を撫でた

「はい、また来ますぅ〜」

「色々とありがとうございます
また稽古の相手してくださいね」

絵里架と伏木蔵は雑渡達に手を振るとタソガレドキ城を出て忍術学園へと向かう

そして忍術学園の前まで来ると事務員の小松田と髭をたくわえた男が何か言い合いをしていた

「入門票にサインをしてください!」

「だから!!
後からするから急いで学園長に会わせてくれって言ってるだろう」

「入門票にサインが先です!」

「あぁ〜〜!もう!!」

男は小松田に困り果て頭を抱えていた

「何をやってるんですか小松田さん」

「あ、絵里架君に伏木蔵君」

「どうしたんですぅ」

「あぁいいところに来た!
小松田君をなんとかしてくれぇ〜」

半泣きで男が絵里架と伏木蔵に迫る

「よくわかりませんが小松田さんは入門票を書いてくれるまで引き下がらないので
もうサインして学園長にお会いになる方が早いと思いますよ」

絵里架がそういうと男は面倒くさそうに入門票にサインをした

「これでいいだろう!!」

「は〜い!!ありがとうございます」

「学園長先生に御用ですよね?
私がご案内します」

「頼むよ」

「面白そうなので僕も行きますぅ」

そう言って3人で学園長の部屋へと向かう
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