曲者と見た夢

□2
1ページ/10ページ





朝になり顔を洗い忍び装束に体を包み朝の空気を体いっぱいにため込む絵里架

いつも通り朝に食堂のご飯を食べ授業に集中する

途中から入ってきたという事もあり皆に追いつくために必死に授業に食らいつく

時間があれば図書室に行き長治に勉強を出来る本を紹介してもらい借りる

昼休みなど長い時間には仙蔵、文次郎、留三郎と一緒に組み手を行う

そして放課後は勢いで入った保健委員会の実務をこなすために医務室に行く

「あ、絵里架先輩
お疲れ様ですぅ〜」

「お疲れ様です!」

「伏木蔵、左近お疲れ
来るのが早いね」

「僕たち今日は授業が早く終わったので」

「早く来たんですぅ」

「ははは、えらいえらい」

絵里架は2人の頭を撫でる

そして棚にしまってある薬のチェックをする

「そいえば伊作先輩はどうしたんです?」

「あぁ伊作は裏山に薬草がないか見てくると言ってたぞ」

それを聞いて伏木蔵と左近は顔を真っ青にした

「どうした?」

「僕たち保健委員は別名」

「「不運委員会」」

「そして裏山やどこかに出かけると絶対と言うほど穴に落ちるか木の根でこけるか」

「何にせよ高確率で伊作先輩は穴に落ちて出られなくなってる事があるんですぅ」

「それ忍者として色々やばくね?」

「何にせよ大変だぁ!」

「伊作先輩ぃ〜」

慌てて伊作を探しに行こうとする伏木蔵と左近の襟首をつかむ

「待て待て
今の話からして伊作だけじゃなくてお前達もだろう
尚更探さなきゃいけない奴が増えるからここに居ろ」

「け、けど伊作先輩が!」

「伊作なら俺が探してくる
だから2人はここで居ろ
いいな」

そう言うと絵里架は面倒臭そうにしながらも裏山へと足を運ぶ

「おーい、伊作ー!
居るかー!!
あいつどこまで行ったんだよ」

声をかけるが声は帰ってこず姿も見えない

そしてしばらく歩いていると穴を見つける

まさかなと思いながら穴の中を覗くと伊作が居た

「はぁ…お前はホントに」

「絵里架!!?」

「何をやってるんだ
それでも6年生か
しかも落とし穴の目印があるにも関わらず落ちるとは」

「落とし穴ではありません
おちちゃん1号です」

急に後ろからかけられた声に驚く絵里架

「喜八郎〜!
やっぱりまた君だったんだね〜!」

「これはこれは
またですか伊作先輩」

「なんで毎回僕を落とすんだよぉ」

半泣きになる伊作にだって〜と言う綾部

「はぁ…なんでもいいからさっさと上がれ」

絵里架が手を差し出すとそれを掴むと一気に引き上げる

「こんな穴にはまる伊作も伊作だし
こんな所に掘る君も君だよ」

「だって校庭で掘ったら怒られるんですもん」

「当たり前だろう
とりあえず帰るぞ」

「あ、僕も一緒に帰ります〜」

3人は裏山を下りていく


「そいえば初めましてですね
僕は綾部喜八郎です」

「あぁ伊原木絵里架だ」

「絵里架先輩…ですか」

喜八郎が顔を覗き込む

「な、なんだ…」

「いえ、男の人にしては顔が整ってるし綺麗だなぁと
変装の時楽そうですね」

「そうだな」

「羨ましいです」

「そういう君もかわいい顔をしているよ」

「それは男の子に言う言葉じゃないと思います」

「なら俺にも言うなよ」

「先輩にはいいんです」

「なんだそれは」

そんな話をしながら3人は学園へと戻って行く
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ