†【the walking dead】†
□†【22】†
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ﾒﾙﾙに同行を断られ
俺は肩を落とし
刑務所内の棟と棟を結ぶ
見張り場所の渡り通路で立ち竦んでいる
………はあぁ
やっぱりﾒﾙﾙにはまだ
協力をしてくれと言うのは早かったな
仲間とﾒﾙﾙも…お互いまだ不信感はある
それに策略の考え方が違うから
余計に難しいのか
『……どうするか』
大事な者が皆いて
命をかける場所の価値は
…それぞれ違う
ﾒﾙﾙを
連れていこうと決めたのは
万が一銃撃戦や
ｳｫｰｶｰの罠に嵌まったら
そこから抜け出す為の戦力が必要で
更にそこから抜け出し
刑務所へ戻らないとならない
俺達が居ない間
刑務所が無事かなんていう
確証は無い
ｸﾞﾚﾝとﾊｰｼｪﾙを残す
『ﾒﾙﾙ…ッ』
俺が頼むのは…駄目かもしれない
俺はﾒﾙﾙの大事な弟を傍に置いている
奴は出ていきたそうなのにﾀﾞﾘﾙと
ｸﾞﾚﾝやﾏｷﾞｰ…ﾒﾙﾙとﾀﾞﾘﾙ
どちらにもつけず
互いの考えを思い
ただ真ん中で仲裁をしてるだけで
けしてﾒﾙﾙには
プラスでは無い存在だからだ
【おい…
ｼｬﾜｰ浴びんのか？
ｷｬﾛﾙとﾍﾞｽが入ってるから無理だぜ】
『？』
【先に入ってた俺がｼｬﾜｰﾙｰﾑから出て行ったら
"入ってたなら言って"だとよ】
『ﾀﾞﾘﾙ…』
【あ？】
『タンクトップ着るなら
ズボンも履けよ…』
ﾀﾞﾘﾙはｼﾞｭﾃﾞｨｽにﾐﾙｸをあげながら
タンクトップとパンツ姿…
【暑くて履けるかよ】
まあ…いいかﾀﾞﾘﾙだし
それよりも…
【ｱﾝﾀもｼﾞｰﾊﾟﾝ履いてんなら
上も着ろよ…】
『その下着…
見たことあるな』
俺が首を傾げながら聞くと
【……くれたんだよ
てか強制的に履かされた
俺のパンツに穴が開いてンのを
見たらしく】
『誰に？』
【………ｼｪｰﾝに
穴あきパンツを脱がされて
ｺﾚを投げつけられた】
『ｼｪｰﾝ…』
そうか…ｼｪｰﾝは
世話好きだったしな
俺の面倒もよく見てくれていた
ー大丈夫だﾘｯｸ
しっかりしろ俺がついてるー
『…俺がついてるって
ｱｲﾂは言ったのに…』
【……】
ｼｪｰﾝなら…こんな時
どうしていたか
ﾐｼｮｰﾝを…差し出していた？
変わってしまったｼｪｰﾝなら
簡単に差し出していたかもしれない
俺さえ
殺そうとしたんだからな
【ﾘｯｸ…怪我してないか？】
『え？』
【鎖骨辺り
血が滲み出てる…】
『…ああ…本当だな
刃先があったんだな』
【……刃先が？】
『あ…何でもない
それより中から
ｼﾞｭﾃﾞｨｽを探す声がするぞ』
【？‥カールだな
ちょっと行ってくる】
ﾀﾞﾘﾙはﾉﾀﾉﾀと
ーカールー
室内へと戻っていった
一人になった俺は…この先どうするか
また考える事にした
時間がない
決断くださなくては…
ｶﾞﾊﾞﾅｰは時間を与えなかった
あと数時間で
その時はやってくる
手ぶらでﾀﾞﾘﾙが
今度はズボンを履き
暫くしたら戻ってきた
【…ほら着ろよ】
『ﾀﾞﾘﾙ…ありがとう』
ﾀﾞﾘﾙが持ってきた俺の服を着て
立ち上がり
腰に手をあて…刑務所を見渡した
そんな俺を見ていたﾀﾞﾘﾙが
スッ…近づき
俺の後ろから腰に腕を回し
抱き締めてきた
『…どうした？』
【………】
ﾀﾞﾘﾙは俺の肩に顔を埋めて
ジッ…俺の目を見る
首を傾げながら
余りスキンシップをしないﾀﾞﾘﾙの行動に
驚きながら顔を覗き込む
『ﾀﾞﾘﾙ？？』
ﾀﾞﾘﾙは上目使いでジッ…見つめていて
あ…もしかすると
俺が今
凹んでいるのを察してるのか？
ﾀﾞﾘﾙの身体を離して向き合う
心配させてはいけないと思い
ﾀﾞﾘﾙの腕を軽く叩く
そうだ…話す価値はある
きっと協力してくれる
『…頼みがあるんだが』
【？】
『さっきﾒﾙﾙのとこへ行き
同行を頼んだんだが
断られたんだ
ﾀﾞﾘﾙ…説得してくれるか？』
【ああ…任せろよ】
『！』
【いいぜ…一緒に来てくれ
さっき兄貴と話した場所に居る筈だ】
やっぱり協力してくれたな
この男が与える存在の安心感は…凄いな本当に
『ありがとうﾀﾞﾘﾙ…』
【…ああ】
ﾀﾞﾘﾙと再びﾒﾙﾙの元へ
そこにはﾒﾙﾙが居なくて…
部屋の奥に行くと
ﾀﾞﾘﾙが言うには二人居痕跡がと
『…二人？』
ﾒﾙﾙと…誰だ？
直ぐにわかった
ﾐｼｮｰﾝの姿が消えていた
ﾀﾞﾘﾙが言うには
ﾒﾙﾙはﾐｼｮｰﾝを連れて一人でｶﾞﾊﾞﾅｰに奇襲を…
ﾀﾞﾘﾙがﾎﾞｰｶﾞﾝを掴み
【兄貴を追う
ｱﾝﾀは刑務所を守れ
それか逃げるんだ
きっとウッドベリーの奴等は報復をしにくる】
ﾒﾙﾙを追い刑務所から出ていった
俺が今しなくては行けないこと
それは
先ず隠していたﾐｼｮｰﾝの話だ
そして
俺は…赤ん坊を育てられる
この環境を
今まで協力しあい
生き抜いてきた仲間と
いや…家族とウッドベリーの人間を倒したい
家族はどう答えをだすか
話し合う
時間がない…急がなくては
『…皆そろったな
俺の話を聞いてくれ』