†【the walking dead】†

□†【19】†
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明日はウッドベリーの連中と話し合いがある
リックとダリル…そしてハーシェルが行くことになった
マギーがハーシェルを心配していて辛い
代わりに行きたい俺は
メルルを見張り
刑務所を守るようにリックに頼まれた

まあ…正解だよリック
マギーに屈辱を与えたガバナーへの憎しみが
少し落ち着いてはいるけど
本人を目の前にしたらわからない

監視塔へ

明日の休戦協定で
明日から何かが
変わるかもしれない…

明日から良い方へ変わる想像をしてみた
メルルにマギーと拉致られ見た
ウッドベリーの連中の素性を考えたら
プラスの思考に行くことが
やっぱり難しい

刑務所の警備をしておかなくては
リックやダリルにハーシェルが
無事に戻り援護を直ぐに出来るように

(………)
俺も随分と変わったな
ピザ屋に居た頃の自分を思い出すと
つくづくそう感じる

夜は少し寒い
毛布を忘れてしまった
マギーも居ないし

(…はあ)

つい溜め息を
グダグダ考えるのはやめよう

カタッと音がなった
振り向くと
毛布を持ったリックが居た

『‥グレン
毛布を持ってないだろう
上がっていくのが見えたから』

(‥リック)

『マギーと
居なくていいのか?』

(リックこそ
カールやジュディスと居なくていいの?)

『カールはジュディスと
もう寝ているよ
今いったら起こすかもしれない
幸せな夢を見ていたら可哀想だろ』

(くく…同じだよ
マギーも寝ていたから
眠れない俺は此処にきた)

『‥そうか』

監視塔はけして広くない
大人の男二人だと
余計に狭い

リックは俺の隣に腰を下ろし
優しい笑顔で見ながら
『…辛い事が
おまえたちにあったけど
俺は無事でよかったと思う』
(……ん)
言葉を投げた

『今日は寒いな…』
(…ん)

リックはまだ
付き合ってくれそうな雰囲気で
俺はリックの隣に腰を下ろし
毛布を二人で使おうと言葉を投げた

背中からリックに
リックも背中に毛布を

(………)
『…あったかいな♪』

今の俺達二人は
まるでカップルみたいな
光景だろうな
普通はしない

リックは少し
普通よりも
人間との身体の許される距離が狭いからね

(…リックは
整った顔をしてるな
学校の美術室にあった彫刻みたいだよ)
『…そうかな』

(カッコイイよ凄く♪)
『グレンは幼い顔をしてる
まだ学生みたいだ
スッキリとしたアジア美人だ』

(美人?)
『女装が似合いそうだ♪』

(嫌だな…はは)
『くく…』


(じゃあ俺達並ぶと
美男美女になるわけだ
‥ははは)
『そうだな♪』

リックが俺の顎にふれ
顔を向き合わせ
『‥俺が今
生きていられるのは
グレンが市街地で救ってくれたからだ
本当に…ありがとう』
(リック…)
『ありがとう…グレン』
(………)

リックはウィルス研究所から
刑務所までの間
今もだけど
凄く皆で生きるために必死で
バラけそうになった時に仲間に
残る者は俺に従えと言ってから
ピリピリとしているけど

どれもこれも
前に立ち
俺達を守るためだってわかってるから

(リック…)
『…?』

(一緒に最後まで生きよう
皆で生き抜くんだ…)
『…グレン』

(俺はリックの背中を守るから)
『……ッ』

(…………)
『…?』

まるで…映画みたいな
雰囲気だなとか
ふと思ってしまった俺を
誰かしかってほしい

でも本気で思ってしまった
初めて出会って市街地から逃げ延びて
キャンプへ着いたときに
彼は歪んだ世界でも変わらず保安官で
俺を守ってくれると
リックの背中を見続けてきたら

リックが俺の肩に腕をまわす
(今日は語り明かそうか兄さん♪)
『え?‥くく
そうだな…話をしよう』
俺もリックの肩に腕を回した

ジジ…

‥?‥ジジ?

何か虫の羽音が聞こえる?
監視塔の小さな灯りに寄ってきた?

ジジジジ!!
『わあぁッ!!』ビク
ぎゆッ…
(え?ちょっと兄さん)

リックの耳元を飛んでいたらしく
リックは驚いて
俺に飛び付いてきて
ドサ!ッ…
『‥はあぁ…吃驚した』
(‥‥‥)
俺の上に股がり押し倒した

ウォーカーが突然あらわれた時よりも
大袈裟に驚いたリック
思わず笑いが込み上げた

やったな!と言って
俺は今度リックを
監視塔の底に押し倒し
股がる体勢に

子供みたいにジャレあい
久しぶりに笑いながら
やめろと言うリックを見て
なんだか嬉しかった

(‥リック)
『グレン?』

いとおしい我等のリーダー
頼りになる我等のリーダー
正義の味方の様な我等のリーダーに

(俺はキミが大好きだ
さっきも言ったけど
皆で生き抜くんだ…)
『‥‥グレン』

押し倒したリックは
以外と幅が小さくて驚いた
『俺も…愛している』
あんなに存在感があるのに…不思議だ

リックの身体の上から
立ち上がろうかと思ったら
監視塔の扉がバンッ!!激しく開き
俺は扉に押されて
(!!)
『!!』
リックの顔に…顔が落ち
お互いの歯が当たる程の強烈なキスを

リックとはどうやら
(ッ…歯がぁ…
リック?ごめん大丈夫か?)
俺の唇は縁があるらしいね

リックはキョトンとし
直ぐに口を押さえてケラケラと笑いだした
よかった…寛大な人間でリックが

誰だよと振り向くと…
【………】
暗闇の中でもわかるくらい
ギラギラした目のダリルが立っていた

【…何してやがる】

(は…話してたんだよ)
『ははは♪』

【キスしたろ…てめぇ】
(ダリルが勢いよく
扉を開けるからだろー
何とか言ってくれよリック!)

『はあぁ…笑った
ちょっとロマンチックだったのに
台無しになったなグレン
次は優しくキスをしてくれ』

【!】
(!)

『ぷっ…ははは♪
はははははは』
フォローになってないよ兄さん…

【……てめぇ】
(かおが…ちかいよぉダリル
俺はパーソナルスペース
リックと違って狭くないよぉ…)

『‥あ』

【?】
(わ!リック血が出てる!)

『グレンの歯が当たったからかな
ははは…血が出た♪』

【‥‥呑んでんのか?アンタ】

(‥‥‥‥)
明日が不安で
案外テンション高くなってんのかな?

ダリルがツカツカとリックへ近づき
『!』ビク
リックの頬を鷲掴み
【♪♪】
リックの唇を舐めて血を飲んだ

『な…また///
おまえ舐めグセどうにかしろよ』
【まだ出てる…顔を近づけろよ
おい逃げるな舐めさせろ】

(………さて
見張りますか
毛布を借りまーす…)

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