†【the walking dead】†
□†【13】†
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ーリック総監を殺しに行こう！ー
ー…ｸﾞﾚﾝ
いま戻るのは危険だー
ー何故２度もﾏｷﾞｰを
中へと連れていったッ!!
ﾏｷﾞｰは酷いめにあったんだぞ!!
俺が行くっていっただろ!?ー
ーｸﾞﾚﾝ
おまえは立つのすら
出来なかった！ー
ーﾀﾞﾘﾙを助けに行ったのに
ﾀﾞﾘﾙは去った！
ｱｲﾂと一緒に行っちまった
無駄だった!!ー
ー泣いてすがれば
よかったか!?
ﾀﾞﾘﾙに！ﾒﾙﾙにも
……戻って話そうｸﾞﾚﾝー
ー話すことなんて
もう無いッ!!ー
[…………］
苛苛する
こんなに苛苛する事なんて
今まで俺には無かった
あの敵地で
拷問された俺の身体なんて
どうでもよかった
ﾏｷﾞｰが何処かにいるとわかってたし
俺が刑務所の居場所を
直ぐに話していたら
仲間もﾏｷﾞｰも
殺されていた
絶対に言う気はなかった
たとえ俺が死んでも
[……クソッ!!]
卑劣な外道共
許せない
ﾏｷﾞｰの侮辱を許せない
殺したい
今すぐにでも殺したいッ…
皆殺しにしたい
壊れて刑務所外で徘徊してるﾘｰﾀﾞｰと
出ていった有力な仲間のﾀﾞﾘﾙ
いま動ける残された仲間は
女と囚人一人と老人と子供
[…………］
俺は残された人間で
街への侵入の策を考えたけど
無謀だと
そして怒りで染まった俺は
命を落とす危険もあると
ﾏｷﾞｰの父親に止められた
[ﾏｷﾞｰ…話をしよう]
ー……ー
彼女も監房の中で籠っている
俺に怒っている
彼女は襲われていないと
言うけれど…
俺は
ー…話すことは全部言った
あっちへ行ってよ
私ときちんと向き合わないなら
話し合うのは無駄よー
そうあってしまった事実に
怒りを沈める方法がわからない
[…………ッ…]
ﾊｰｼｪﾙ達は逃げるべきだと言うけれど
尻尾をまいて…逃げるなんて
逃げるなんて
総監に尻を向けて逃げるなんて
俺は車に乗り込む
行く場所なんてないけど
落ち着かない
怒りに染まった身体を
此処から離れて
沈めようと思ったからだ
どうしようもない
怒りの行き場がない
こんなにも苛つく
こんなに…許せない
こんなにも
俺は一人じゃ何も出来ないし
人を…動かせない
一人で総監を殺しに行く
そうしたら…ﾏｷﾞｰが…
ー…何処へ？ー
[……外へ
ﾏｷﾞｰ達を頼むよ…ﾊｰｼｪﾙ]
ーｸﾞﾚﾝ…
きみと一緒に行って
ﾏｷﾞｰは傷ついたー
[…俺が
守ってやれなかったからだ]
ーｸﾞﾚﾝ…
私はきみも心配していた
きみが無事でよかった
きみはもう
私の息子なのだからなー
[…ﾊｰｼｪﾙ]
ー気を付けて
外は危険だからな…ー
[……ああ]
一頻り走ったら
車から下りた
真上を見上げて…
空を見た
酷い地上だ…地獄だ
縄張り争いで
人間が人間と争う
法律って
やっぱり必要なんだ
人間は無駄に脳が
進化し過ぎたんだ
動物はシンプルだ
人間は貪欲だ
[………ッ…ﾏｷﾞｰ…］
苦しいよ
どうしたらいい
悔しいよ
どうしたらいい
憎いんだよ
どうしたらいい
あの男を
本気で…殺したい…
[………］
怖いな
とても怖い
自分が怖い
争いを望んでいる
強く強く望んでいる
[……戻ろう
駄目だ…ﾘｯｸもﾀﾞﾘﾙも
居ないんだ
俺が守らなきゃ守らなきゃ]
今にも
このまま
この車で一人
総監を轢きに行きそうな勢いだ
だけど常に
後ろにいるんだよ
俺の後ろにはﾏｷﾞｰが居て
ﾏｷﾞｰの後ろには
仲間がいる
俺は武器を握ると同時に
盾も握らなきゃいけないんだ
何があるかわからない
助けに来てくれたﾘｯｸやﾀﾞﾘﾙだけに
盾を握らせたままじゃいけないんだ
俺も…握らなくては
車を走らせる
刑務所へ戻る為だ
刑務所へ戻ると
[ッ!!]
たくさんの銃撃戦の跡と
ｳｫｰｶｰがﾌｪﾝｽを越えて
広場の中へと入っていた
[な…なんで!?]
俺が居ない間に
総監が奇襲をかけｳｫｰｶｰを放った