†【the walking dead】†

□†【11】†
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グレンとマギーが囚われたと
真っ白な日本刀と
グレンとマギーが本来
持ってくる筈だった
娘の物資を手に持ち
フェンスの外に立っていた女からの情報を得た

傷を負った日本刀を握る女は
名前も名乗らず
ただ
グレンとマギーが拐われたと
そして会話を聞き此処へ来たと話した


この女の言うことは
もしかしたら
何らかの罠かもしれない

だが
二人は確かに
物資を残したまま
戻ってはこなかった
嘘か本当かはわからないが
俺は其処へ行くことにした



無愛想な女だ
何を考えているのか読めない
未だに名前すら明かさない



訪問者と話していると
(リック…ちょっと来てくれ)
『…いま?』
(ああ…いま)
ダリルに呼ばれた

ダリルに呼ばれ監房へと向かうと
「……リック」
『キャロル…』
行方がわからなくなっていたキャロルの姿が
ダリルが脱水で動けなくなっていた
キャロルを見つけ出し救いだした

キャロルは…ローリは?と
俺が抱いていた赤ん坊を見つめながら
笑みを浮かべそう聞いた
『………』
俺の…返せなかった言葉と
ダリルの雰囲気を感じとり
「そんな…ッ…
ごめんなさい…私が…
居なかったから
ハーシェルに帝王切開の仕方を…
教えてもらっていたのに」
涙を流しながら言葉を投げた

キャロル…
グレンに聞いていた
きみはウォーカーでローリの為に
帝王切開の練習をしていてくれていたと

仲間の涙が…俺は
ローリを失った悲しみを
更に強くさせた

シェーンを殺したとローリに話した時
ローリが俺を拒絶した様に感じた
それから俺とローリの間に
距離が出来た
いや…ローリはソレを受け入れようと
努力していたのだが
俺が…きっとまた距離を作ってしまった
(リック…)

『…?』
…きみに逢いたい

(…大丈夫か?)
『……ああ
さぁ…準備をして向かおうか』

(ああ…誰と行く?)
『ダリルと俺と
彼女は道案内で
ダリル…あの女は素性が不明だ
要心しよう
あとオスカーを連れていく』

(OK…車を出す)
『ああ…』






俺達四人は敵地の近辺へ辿り着く
謎の訪問者の日本刀を握る女が
此処から先は車だと
警備の人間にバレると言い
俺達は歩いて向かう事になった


途中でウォーカーに襲われ
アクシデントはあったが
訪問者の道案内で
無事に中へと侵入した


確かにソコには
訪問者の女が言っていた
昔の様な"街"が存在していた
生存者達は笑顔で話をしている
不思議な空間だった
とても平穏に見えるが
この生存者達も武器を持っているかもしれない
油断は出来ない

警備の目をすり抜けて
俺達はグレンとマギーを探していると
何やら騒がしくなった
俺達はその方角へと進んでいった
そして途中で…銃声が響いた

その室内の中で
グレンとマギーを見た
ダリルが持ってきていた武器を投げ
部屋中を真っ白な煙を充満させて
俺達は二人を救出し
車に比較的に近い部屋の中へと逃げ込んだ
『!?』
その部屋の中に同行した女の姿がなかった

歩くのもままならないグレンが
ダリルを見ながら
こう言った
[…ダリル
俺をこうした人間はメルルだ
メルルが…生きていた]
(…メルル?)
そして刑務所の場所を
話してしまったとも

『OK…グレン
先ずは此処から脱出するんだ』
[………]


背後でダリルに名前を呼ばれた
振り向くとダリルが縋る様に見つめ
(兄貴に逢いたい…)
そう言葉を投げられた

『ダリル…駄目だ』
(何故だ!俺の兄貴だ!!)

『此処は敵地だ!危険だダリル』
(兄貴は強い!俺より強い!
戦力になる!
俺が説得するから!)

必死にメルルに逢いたいと
俺に言葉を投げるダリルの青い目は
紛れもなくメルルの弟の目で

『……ダリル
駄目だ
俺に着いてくるか
此処に残るか
どちらかに決めろ!』
(!)

『…ダリル
おまえが必要だ
俺にはおまえが必要だ
グレンやマギーやオスカーも
おまえが必要だよ』
(………)

『……ダリル?』
(…行くよ一緒に)


ダリルと俺と援護をしながら
真っ白な煙が充満する外を
マギーとオスカーがグレンを支え出口へ向かい駆け抜けた

街の外へと出ようとしていたマギーの
俺の名前を叫ぶ声
駆け寄るとオスカーが…
銃で胸を撃たれ死んでいた

泣いているマギーを支えていると
ダリルが先に行けと
銃を撃ちながら叫んだ

俺はマギーとグレンと
壁の外へ出て
ダリルが来るのを待った
背後から草を踏む音が
『ダリル!?』
ダリルだと思い振り向けば
ダリルではなく
一緒に着いてきて途中で消えた
訪問者の女の姿だった


マギーがダリルは?と
『……ッ!!』
追いかけて来ないダリルは
もしかしたら
捕まったのかもしれない


俺とマギーで
ダリルを救うことにした
怪我をしたグレンと訪問者の女を
乗ってきた車で待たせて

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