†【the walking dead】†

□†【6】†
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"彼を殺す
彼は俺達には危険だ
危険以外何でもない!
マギーを知っていた
逃がしたら牧場が襲われる!"

"リック…まて
皆も…聞いてくれ"

"‥デール
話し合う意味は何だ?"

"害をもたらす一人の者を
殺すことは簡単だ
恐怖から逃げ
生かす方が難しい
ただ
それは
人間味が消えていくと言うこと
強い者のみが残り
人間としての心を持つものが
消えていくということ
‥強い者が残るとしよう
そうなればいつか
人間は滅びる
どうか…正しい判断を
それは人間味を消さずに
正しい判断を"





デールの意見は難しい
だがこの世界で俺は
妻と子と仲間を守るには
あのバックにギャングがつく少年を
逃がすわけにはいかない
生活する為に無駄な物資も省かなくてはならない

デールの意見は
綺麗事だと思った
この世界で綺麗事を言っても
家族や仲間は守れない

デールの言葉に賛成したのはアンドレアのみで
俺は少年を殺す刑を実行する事に決めた

家族の為に仲間の為に
俺は少年を殺すんだ


シェーンとダリルと俺は
少年を殺すために
小屋へと向かった

シェーンが少年を押さえつけ
ダリルが出口を見張り
俺は泣き叫び慈悲を求める少年に
銃口を向けた

『‥何か最後に
言いたい事は無いか?』

そう泣き叫びながら慈悲を求める少年に
希望はないとあらわした

銃を握る人差し指に
力をくわえようとした時に
ダリルの背後から
ー撃ってー
息子のカールが言葉を投げた

ー撃って…父さんー

少年を撃てと

『……ッ』

人間味とは何だろうかと問いかけた
自分に問いかけても
わからなかった

俺は…
『ダリル…コイツを連れていけ』

(……OK)
少年を撃たなかった

息子の未来を案じた

ー…なぜ撃たないの?父さんー

息子の未来は
人間味がある未来をと

『‥こいカール』

ー…父さん?ー

デール…あんたの言う通りだ
あんたに謝らなくてはならない
傷付けた仲間のあんたに…












その日の晩

外を歩いていたデールが
ウォーカーに襲われた
腹を抉られ苦しむデールを
俺は握る銃で楽にしてやれなかった
震える銃口をダリルが避け
変わりに
すまない兄弟といい…楽にした
そしてまた帰らぬ者となる

ー…デールが死んだのは
ぼくのせいだ
デールを襲ったウォーカーは
ぼくが今日森で殺そうとして
襲われそうになって逃げて
後をついてきたんだ…ッ…ー

『…カール
この銃を持て』

ーそれは
ダリルの鞄から
ぼくが盗んだものだー

『…カール
人はいつか死ぬものだ
自分の身は自分で
守れなければならない』

ー……父さんー

『…俺はいつか死ぬ
ローリも…わかるか?』

ー…OK
もっているよ銃をー



夜に再び閉じこめていた
少年が姿を消した
変わりに顔に傷を追ったシェーンが
【あのクソ野郎が
俺を襲って森へ逃げやがった!】森から出てきた

俺とシェーン

ダリルとグレンで
逃げた少年を追う為に
森の中へと入っていく
そして途中で2手にわかれた

俺は
『‥シェーン?
本当にそっちへ逃げたのか?』
【着いてこいよリック…】
シェーンの誘導に従い
森の奥へと進んでいった


シェーン

おまえが少年を逃がしたのか?
或いは此処で
俺を…殺すつもりか?

俺を殺して
ローリやカールを…奪うつもりか?

『‥シェーン?』

【‥‥‥‥】

俺達はもう戻れないのか?
親友には…

森の中から開けた場所へ
シェーンと俺は出た
シェーンは俺の背中に銃口を向けた

『‥‥‥シェーン
ローリがおまえは危険だと言った
俺達は…もう戻れないのか?』

【おまえが死ねば
ローリやカールを
もっと不自由ない
安全な場所に連れていける
おまえは何だ?
息子の面倒もみないで
仲間仲間と…それでもカールの父親か?】

『‥俺を…殺すのか?』

【おまえが死ねば
ローリやカールは先へ進む
おまえの事は
時が経てば忘れるさ】


『俺が死んで
妻を寝とるつもりか!?
俺が死んで
カールに俺が父親だといい過ごすのか!?』

【‥‥‥】

『今のおまえは
耐えられるかもしれないが
いつか…耐えられなく
なる日がくるよ…シェーン』

違う

俺が悪いんじゃない

暴走した…シェーン
おまえが悪いんだ

『‥銃を渡すよ
今なら…戻れるシェーン』

狂ったおまえの歯車と

狂った俺の歯車は

【………】

もう巻き戻せない

巻き戻したくても

もう…無理だ

家族を守りたい!
これ以上の仲間の死は見たくない!

キガイヲアタエテクル者ハ
ハイジョスベキダ

銃をシェーンへと
シェーンは銃口を向けたまま
俺の銃を奪おうと腕を伸ばした

近づいてくるシェーン
俺は…
【ッ!!】
『‥ッ…』
銃を渡す瞬間に
シェーンの胸にナイフで射した

刺されたショックでシェーンが銃を撃ち
そのまま草の上へ崩れ落ちた

『ぅッ…うあぁああ…ッ!!
違う…俺が悪いんじゃない
おまえが…シェーン…ッ…』

苦しむシェーンの血塗れの手の平が
俺の頬を撫でた
【…はぁはぁ…はぁはぁ】
俺は
もう片方のシェーンの手を握る
『シェーン…ッ…』
ほどなくシェーンの息が止まった
俺は…ただただ涙が止まらなかった

何故
こんな世界になったのか

親友を殺した俺は

‥今の俺はまるで

monsterだ…








ー…父さん?ー

『カール?
ち…ちがう…俺は…』

カールが銃声を聴いてかけつけた
死んだシェーンを見て俺に銃口を向けた
そして銃口の先から弾が放れた

『ッ!!』

その銃弾は後ろに立ったシェーンに

死んだシェーンは…ウォーカーに…なった
ウォーカーに触れても居ないのに
ウォーカーに変わった






ある研究室で
ある博士に会った時に言われた

だが
それを今まで確認できなく
俺は口にはしなかった

それは本当になった

"みんな生存者も感染している"

彼の言葉は真実だった

シェーンが俺に言った
病院で兵に襲われたと
人間が…襲われたと

それはそう言う事だ
ソレは正しかった
国の兵士は変わっていないが
感染している人間達を撃ったんだ

俺達は感染していると言う事だ

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